大倉 崇裕『GEEKSTER 秋葉原署捜査一係 九重祐子』

現在は秋葉原署副署長の地位にある九重祐子だが、交通課から秋葉原署捜査一係に赴任した当時は刑事としての頭数に数えられずひたすら秋葉原に集うオタクたちの苦情を聞く日々。通称“アキバの保健室”と呼ばれていたが、オタクたちと話しオタク世界を知り、独自の情報ルートができた祐子は単独で行った潜入捜査でアキバにはびこる悪党たちに裏で制裁を下すという噂の「ギークスター」と呼ばれる男と出会う。ギークスターのやり方に反発しながらも惹かれる祐子。そして警察という組織に限界を感じた祐子はギークスターに協力を依頼するが・・・ってな話なんですが、これ恐らく普通に描いたら、というか普通の作家さんが描いたらカッコいいダークヒロイン小説になったと思うんですよ。でも大倉さんじゃないですか。完全にヒロイン<食玩フィギュアなんですよね(笑)。復讐に生きるギークスターの本職がフィギュアの造形師ってところでお察し・・・ってなもんですよね(笑)。
いや、カッコいいことはカッコいいんですよ。ヒロインはともかく「ギークスター」を筆頭に「エンプティ・ハンド」とか「ファイヤー・レイザー」などと呼ばれる“悪人”たちはそれぞれカッコいいんです。でもカッコよさが『オタクが思うカッコよさ』でして、まぁ・・・そんな感じです(笑)。あ、私はどちらかと言えば大倉さん寄りの人間なんで、とても面白く読みました!。