朝井 リョウ『少女は卒業しない』

少女は卒業しない

少女は卒業しない

合併につき3月25日の卒業式をもって取り壊しが決定している高校で生きる少女たちの「学校で過ごす最後の日」を描いた連作短編集です。
少女(女子高生)にとって高校生活=恋と言っても過言ではないわけで、当然この作品も私の苦手な漫画のような恋愛物語のオンパレードなのですが、でもこの人は「連作」のバランスが絶妙というか所謂“脇役”の使い方が上手くて、ある少女の物語では劇的な瞬間として描かれている場面が別の少女の物語ではちょっとしたスパイスとして描かれていたりして、ヘンな表現ですがページを読み進める過程で芋づる式に人間関係が見えてきて、結果群像劇としてはなかなか面白い作品を描かれるんですよね。今回もそれ。
高校って(中学校も小学校もだけど)期限があって、中には一生の友達として付き合える人もいるだろうけどでも大半は“期間限定の関係”なわけで、だからこそ良くも悪くも濃密な時間になるんだろうなぁ・・・ともはや死ぬまでそんな時間は訪れないであろう私は思うのでありました(笑)。
1作目は図書室の先生への恋心が描かれているのですが、その先生がもーーーーうものすごいカッコよくて!ていうか私の脳内では某作品で五番隊を隊長として率いていた死神時代のあのお方がそのイメージにドはまりしてしまいまして、それはそれはもう・・・・・・大変でした・・・妄想が(笑)。