大倉 崇裕『琴乃木山荘の不思議事件簿』

琴乃木山荘の不思議事件簿

琴乃木山荘の不思議事件簿

山岳×日常ミステリという触れ込みですが、前半は確かに日常の謎であり、それがしっかり山ならではの「なぜ」であることにさすがだなーと感心しながら読み進めていたわけですが、終盤になると殺人が続き結局「日常の謎」じゃねえ!!という読後感に。
この作品はタイトルの山荘でバイトとして働く女性の視点で描かれた連作短編集ですが、この女性の物語は殺人事件の解明とともに綺麗なエンディングとなったものの同じくバイトとして働く探偵役の男については素性不明のまんまその背景やなんかは全く描かれないので、視点を変えてシリーズ化されるのかな?。