米澤 穂信『クドリャフカの順番』

クドリャフカの順番―「十文字」事件

クドリャフカの順番―「十文字」事件

文化系部活動が活発な神山高校で、ついに文化祭が始まった。古典部では、ちょっとした手違いで大量に印刷してしまった文集「氷菓」の販売に四苦八苦。その時、校内では「十文字」を名乗る人物による奇妙な連続盗難事件が起きていた。この事件を解決し「氷菓」の知名度を上げ、完売を目指そうと盛り上がる古典部員達。省エネ人生をモットーとする奉太郎だが、積み上げられた「氷菓」という現実があり「十文字事件」の謎に挑む。

読もうと思ってあらビックリ。これってシリーズもんじゃないか。・・・・・・しばらく悩んだ末、前2作を急いで購入。シリーズ物は刊行順に読む、これ鉄則。
人の死を扱わないミステリということで、斜に構えて読んだわけですが、あらら、面白い。人がたくさん死んでナンボな私なのに、これ面白かった。前2作をちゃんと読んでおいて良かった。もし読んでなかったらカンヤ祭の謎に引っかかっちゃって「キィィィ!それ何だよ!?」と思ったと思う。古典部4人の視点で描かれているのも、前2作である程度造詣ができてるからこそ生きるし楽しめる。千反田さんアホすぎ(いい意味で)だし、摩耶花とふくちゃんの微妙な関係も伝わった。それぞれ個別に行動することによって動きが出るし、文化祭を舞台にした学園モノとしても十分楽しめる。肝心の謎はまぁ早い時点で想像ついちゃったわけですが、このシリーズの魅力は謎だけじゃないので、問題なしです。
というか、最大の謎は千反田さんち金持ちなんだから印刷代ぐらい出せるだろ!ってことなのですが。