輪渡 颯介『物の怪斬り』

物の怪斬り 溝猫長屋 祠之怪

物の怪斬り 溝猫長屋 祠之怪

今作はこれまでのような章ごとに解決する連作短編集の形ではなく、蓮十郎の旧知の人物からの“依頼”を軸に、蓮十郎パートと意図的に巻き込まれた四人組パートと、二つの視点が並行して描かれる長編であり、その“依頼”がお多恵ちゃんの事件と関係している・・・どころか完全にシリーズのクライマックス感ありまくりなんですが、もしかしてこのシリーズももう終わってしまうのだろうか・・・。
都市伝説のようなつもりでいたので「お多恵ちゃんの事件」がこういう形で決着がつけられることになるだなんて思ってもみなかったし、真正サディスト蓮十郎先生もそろそろお役御免になりそうだってんで、もうこの先残された枝としては「ちんこ切の竜」の二つ名がどんな形で四人組に知られてしまうのか・・・ってことぐらいしかないもの(そのフラグは今作で立った)。