誉田 哲也『疾風ガール』

疾風ガール

疾風ガール

インディーズでかなり人気があるバンド“ペルソナ・パラノイア”でボーカルを担当していた薫が突然自殺した。薫を激しくリスペクトするギター担当の夏美は、薫の死の真実を確かめなきゃ死んだなんて認めない!と夏美をスカウトに来た気弱な男・祐司を引き連れ薫の故郷へと向かう。

ロック&ガーリー系青春文学、誕生!(帯より)だそうで、この「ガーリー」に釣られて読んだアホがここにいますよ。誰がこの帯考えたんだか知りませんが、どこがガーリーだよ。まぁガーリーの定義は人それぞれなんだけど「女の子」と「甘さ」ってのは譲れないところじゃないですか。この女の子ってのは、性別としての「女の子」とは違うわけですよ。そこ間違えんなと。どっちもねーじゃねーかと。しかもこれ、夏美と祐司の二人視点で語られるわけですよ。それもどっちかと言えば祐司視点の方が重要なわけですよ。昔バンドやってた29歳のお兄さんおじさんが、19歳の自由奔放な美少女に振り回されて、仕事(美少女をスカウトしたい)だから仕方ない風を装いつつも喜んじゃってる図式なわけですよ。もうどこがガーリーですか。ロックってのも、物語からロックが聴こえるようだとかスピリッツとしてのロックとかそういうわけでもなく、単に主人公がバンドやってるってだけで、その描写は恥ずかしくなるぐらい漫画チック。ていうかNANAですか?多分、読者として想定した年齢層から私は外れてるんだろうし、中学生ぐらいの子だったらノリノリで読めるのかも知れません。なんかすっごく歳取った気分・・・・・・。夏美の物語としてよりも、薫とキャバ嬢の恋人・塔子の物語の方がよっぽど面白そうだし。いいなぁ、傷ついた美青年飼いたいなぁ・・・みたいな。ガーリーガーリー言ってる場合じゃねっつの。