永瀬 隼介『ポリスマン』

ポリスマン

ポリスマン

強いってなんなんだ。
すべてを呑み込んで人生というリングに立つ人間たちの熱いドラマとファイトに酔いしれた。〜新堂冬樹

ということで、丁寧な文章と乾いた描写、そして内容は結構黒いということで好きな作家の作品にプラスして帯が新堂ですよ。これを読まずしてどーする?といった感じです。今までの永瀬作品とは全く違います。エンターテイメントしてます。新興プロレス団体の地味で特徴のない中堅レスラー深見。それは仮の姿で、実はリングの掟を破った愚か者に真の強さで制裁を加えるポリスマンだったのだ。ポリスマンの強さを知って慕う元暴走族のプロレスラー志望の練習生、息子をなくしスパイ行為に走るエリート自衛官の親友、義理の息子、そして元ロシアの伝説的格闘家で現マフィアの男・・・。なんか、いろんな話が混じってるっぽくて、あれ〜なんかっぽいと思いながらでしたがなかなか。帯の影響か、新堂エキスが注入されてる気がしますが(炎と氷という描写もあるし)やはり丁寧です。勢いはないけど。別に特別プロレスを舞台にする必要もないんじゃなかったかなぁ・・・なんて思わないでもないですが、エンターテイメント=プロレスってな方式なのかな。楽しく読めたんでいいんですけどね。プロレスラーは強いんですって思いながら読みました。