新堂 冬樹『吐きたいほど愛してる。』

吐きたいほど愛してる。

吐きたいほど愛してる。

自己の中心で愛を叫ぶ!
オノレの妄想・欲望の中でのみ生きる人たちの4つの愛の物語。
いまだかつて、ここまで「過激な愛」を描いた小説は存在しない・・・だそうです。


これまで書いてきたもののダイジェスト版みたい。ここまで思いっきり手抜きしてくれるとむしろ清々しいです。全ての新堂ファンを広く浅く緩くカバー、この1冊で新堂の全てを味わえちゃうゾ☆とかそんな感じ。
どんなに歪な形であっても、他人からは狂気としか思えなくても、本人にとってはすこぶる「純粋な愛」なのだということが共通のテーマとして一応あるものの、1冊の本としてみると全く統一感がない。それぞれの話はまぁ新堂節全開だし、それなりに笑えるんだけどなんとなく胃もたれするというか、夜ご飯は豪華に煮魚とカルボナーラとマーボ豆腐とカレーでもワンプレートで味混ざりまくりっみたいな感じ。よくわかんない例えですいません。
結構グロいし暴力描写もあったりするんだけど、なんだかちっとも響かなくて、読みながら、一瞬「そろそろ飽きてきたのかな・・・・・・・・・」とかなんとか思っちゃいまして、ちょっと寂しくなりました。でも、即「飽きたんじゃない、慣れすぎたんだ!」とオノレに強く言い聞かせました。これって結構けなげな愛なんじゃないかと思うんだけどどうでしょう。