新堂 冬樹『誰よりもつよく抱きしめて』

誰よりもつよく抱きしめて (カッパノベルス)

誰よりもつよく抱きしめて (カッパノベルス)

渋谷で絵本専門店を営む月菜は一冊の絵本と出会う。読み終わって思わず涙をこぼした月菜の目の前に綺麗に畳まれたハンカチが差し出された。ハンカチの持ち主は、たった今自分が読んでいた絵本の作家だった。自然の流れで結婚した2人だったが、やがて夫は強迫的な潔癖症を患い、月菜に触れることさえできなくなってしまう。そしてある日、愛する人に抱きしめてすらもらえない月菜の前に美青年が現れる。少しずつ彼に惹かれていく月菜だったが、彼もまた悩みを抱えていた。

ザ・三流メロドラマ。
こんなことをしてても、誰にも自慢できないし、誰も褒めてくれないという新堂コンプリ中な私です。ここでやめたら「ある愛の詩」や「アサシン」を売らずにダンボールにぶち込んであることが無駄になる!と思う一心で買いました。そして読みました。なんかもう完璧にマゾ。
帯は米倉涼子だし、装丁の感じからすると上品で純粋な恋愛小説のように見えますが、ものすっごい潔癖症な男(それも絵本作家)と美青年ゲイに挟まれる欲求不満の人妻の三角関係ってな話です。『女性自身』で連載されてただけあるわ。エロはないけど。これ、裏新堂バージョンだったら結構面白いと思うんだけどな。その場合、潔癖症の旦那の心を開かせるのは、妻が惹かれていたゲイの美青年になるんだけど。