乃南 アサ『嗤う闇』

嗤う闇 (新潮エンターテインメント倶楽部)

嗤う闇 (新潮エンターテインメント倶楽部)

晴れて巡査部長になった音道は、機捜から隅田川東署へと異動となった。「個性的」な同僚と奇怪な事件に挑む音道シリーズ短編第3弾!とのこと。安心して読めます。音道シリーズの長編は重厚感溢れるって感じなんだけど、短編に関してはこじんまりしてるので妙に入れ込むことなく淡々と読み進められる。それにしても落ち着いちゃったなー、音道さん。もうそれほど若くない(34歳)し、それなりのキャリアも積んでるし、周りの男刑事どもの見る目も変わってきてるのかもしれないけど。なんだか付き合ってる相手に寄りかかる割合も多くなってる気もするし、突っ張るのも疲れるんですかね。4編が収録されてますが、中でも「凍える牙」での相棒滝沢が珍しく家庭の悩みという弱みを見せる作品が(シリーズ愛読者なら)楽しめるかと。それ以外はまぁ並です。バイクに乗るシーンも1回しかないしな。