視聴者は勝男が悩んで苦しんで泣いて喚いて葛藤する姿を見てきたし、気づいて考えて努力する過程を見守ってきたから勝男が「イイ奴」だとわかってるけど、それでもやっぱり変わったといっても「勝男比」でしかないわけで、そもそものところが男尊女卑思考の両親によって育まれた上から目線気質だから相手によってはハラスメントになっちゃうのはわからんでもないかな。
まあこの一方的なハラスメントとされてしまった描写はいくらなんでも無理筋で過剰だとは思ったけど(でもおにぎりはないわ。いい感情を抱いていない職場の人に手作りおにぎり渡されたらキモイ通り越して怖いわ)。
てかこういうの見ちゃうと白崎と南川がいかに「出来た後輩」なのかを実感するな。
以前の勝男に対しちゃんと向き合って否定してくれたうえに助言までしてくれるとか聖人すぎる。それがタイプ違いで二人もいてくれたから勝男は変わることができたんだってことを改めて思い知った感だし、なんならだからこそ平原テツのこの上司が上司でいられるんだなってところまで理解できた。
一方の鮎美は詐欺だろと思ったらやっぱり詐欺だったけど、以前の鮎美ならば「こんな話」にホイホイ乗ることはなかっただろうわけで(吉井夫婦を筆頭に誰も「その話は大丈夫なのか?」と言わないあたり、ここまで見せられてきた“勝男と別れたあとの鮎美”の人間関係的にリアルだなーとか思ってしまった)、この話をどう消化すんだろう。
流れ的に「やり直す」としてもそれはお互い心が折れそうな「今」ではない。という落としどころになりそうだけど、「詐欺に遭いました」という展開はそのため(だけ)のものにしちゃあ強すぎるように思うんだけど。無職になってるし。
それで言うと「じゃあ、あんたが作ってみろよ」というタイトルのドラマでおにぎり作ったらパワハラ扱いされて自宅待機させられました、という状況で最終回に突入してどう着地させるのか?ってな話なんだけど。