織守 きょうや『悲鳴だけ聞こえない』

新人弁護士の木村が主人公で、敏腕上司の高塚とともに謎を含んだ依頼を解決するリーガルミステリ短編集です。
って、これ前に2作刊行されてるシリーズ作品とのことなんですが、そうとは知らずにいきなりこの作品を読んだけど特に問題はなかったどころかシリーズ作品であることすら気づかずに最後まで読めてしまった・・・。

タイトルからは不穏な感じを受けるので、後味悪い系のリーガルミステリを予想しつつ読み始めましたが、最初に収録されているタイトル作こそパワハラが題材でしたがあとは弁護士を騙る詐欺、遺言作成、自己破産、遺産相続と、庶民的(←表現を考えて出てきたのがコレでした)な事象を扱った作品なので、日常の謎の弁護士バージョンといった感じでした。
専門用語がずらずら並ぶ、ということはなくサクっと読めるし、「依頼人の希望に応える」ことを柱にしつつも各話ごとに毛色が違っているので読み応えはありました。知っていればいつか役に立つことがあるかもしれない仕組みや裏技的な情報も読めたし。
後追いになるけど前2作も読みます!。