『西荻窪 三ツ星洋酒堂』第3話

タイプ違いのイケメン三人が営むバーが舞台ってんで、毎回の『客』は「悩みを抱える女性」になるのだと、そしてそれは想定視聴者層と重なるのだろうと思ってたんだけど、3話にして初の男性客、それも定年退職を迎えた三人よりもはるかに年上の客が来たことに驚きましたが、ほんとうの驚きは最後の最後であった。

お坊ちゃま!??????????????

店の前で途方に暮れているようだった近藤芳正さん演じる客が静かにポツポツと語る話をただ聞くことしかできない三人だけど、でも三人に話すことで「なんでもない日常」を思い出し、妻の「願い」を思い出し、妻のためにも楽しみを見つけようと、楽しみは自分で見つけるものだという道しるべを得ることができた。そんなお客様に改めて門出の花束を贈って「また来てください」と送りだすという、これまでの2話とはまた雰囲気の違う交流があって、サプライズのワインを「開けちゃいましょうか」といたずらっぽく笑う雨宮の提案で“定休日に”“カウンターに三人並んで”ワインとおつまみを愉しみながら突如思い出した「三人で飯を食べたこと」を笑って語り合うと、それが「なんでもない日常が思い出」になるということなのだと、ああいい話だったなーと、今回の話はこれまでで一番好きだなーなんて思いながら店を閉め家路へ向かう雨宮で終わるかと思いきや、

え?お坊ちゃま!???????????????

え?雨宮駅から徒歩通勤してるんじゃなくって、ちょっと離れたところまで運転手付きの車で送られてきて、閉店後また運転手付きの車で帰宅してんの!??


お坊ちゃまかよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


はーっ、そうきたかー。
数店舗回ってようやっと見つけたワインを「開けちゃいましょうか」と言えちゃうのは雨宮のポケットマネーで(プレゼントのつもりで)用意したワインだからなのかー。
バラ(切り花)を綺麗に長く楽しむための水切りの方法なんてものを知っていたのも常に花が飾られている環境で育ったからってことで納得だし、なにより品のある立ち居振る舞いやソフトだけど時々「ん?」と思わされる語り口もお坊ちゃまってことならなるほど納得ですわー。

となると、雨宮の「やりたいこと探し」も目標探しというより自分探しの意味合いなのかな。働かずに生きていけるタイプの「お坊ちゃま」なのか人生のレールは決められているタイプの「お坊ちゃま」なのかはまだわからないけど、ここまではあえて自分を見せない、常に穏やかな笑みを浮かべているのは内にあるものを隠しているからなのか?とか思っていたものが、実は中身がないからなのではないか?と、高校時代からそんな感じだったらしいしそれこそ高校時代で「人生の目標」を定めていた中内と比べて雨宮は空っぽなのではないか?ってなふうに見えてきたぞ。

でも4話の予告で中内の味覚が戻ってきつつあるとか言ってたけど、視聴者目線からすれば初回で味覚障害が発覚したものが2話と3話で2食作っただけなのにもう回復しちゃう(しつつある)の?ってな感じだし、ここに至っても小林については特になにもないし、メインの三人についてしっかり掘り下げるようなドラマではない・・・のかな。