『トクサツガガガ』最終話

原作でも叶とお母ちゃんの戦いに決着はついてないらしいんで、フワッとした着地になるんだろうなーとは思ってましたが(そうは思えど、店でビンタかまして「クソババア!」と呼び今まで育ててもらった金は一生かかってでも返すから二度と私に干渉するなと「絶縁宣言」したと思ってたんで、母親はわからんけど娘のほうはちょっと派手な親子喧嘩しちゃったぐらいの感覚だったのには拍子抜けしたわ)、お母ちゃんは耐えられなくて途中で視聴をやめたっぽかったけど(それはそれで大人として正しい反応と言えるかと)それでも「娘の好きなもの」に触れてみようとし、叶はお母ちゃんから貰ったウサギのぬいぐるみを持って実家へ向かう道中でこれまで自分はお母ちゃんの「好きなもの」を拒むことで否定し続けてきた」ということに気づいた・・・と。

お母ちゃんはほとぼりが冷めたらまたギャンギャン言い始めそうではあるけど、叶のぬいぐるみは「これからはお母ちゃんが自分のために自分の好きなものを買えばいい(自分にあげればいい)」というメッセージだと理解してくれたら娘への干渉は少しは収まるかもしれないし、解り合うことはできずともお互いの『好きなもの』を否定しないための努力は必要だよねという落としどころは「オタク」を描くドラマとして「ここしかない」だろうと思えるものでしたが、吉田さん問題は結局「なんでもなかった」ってことでよかったけど(お互い「友達」だと確認し合ったあと、ビデオデッキを担いで叶の家まで来てくれた吉田さん(2台持ってるとかまさにオタクあるあるすぎてww)を叶が部屋に上げずに帰したってのはオタク友達だからこその線引きというか距離感というか、そういうものが見えてこれまたよかった)ダミアンの話はもうちょい踏み込めなかったかなー。「好きなものは好き」なんだからダミアンも「好きを諦めるな!」というメッセージは伝わるけどジュウショウワンを全員出して誤魔化したよね?感は否めず。

でも吉田さんがくれたデッキでエマージェイソンの最終回を見る「今の叶」と、「好き」を思い出した「高校生の叶」と、そして母親に止められても「好き」を抑えられなかった「子供の叶」の姿を重ねる演出はなかなかの説得力だった。エマージェイソンの最終回は子供番組にしちゃあ随分とハードな内容っぽかったけど(叶と兄ちゃんが「エマージェイソンの最終回ってどんなやったっけ?」と二人そろって“覚えてなかった”という前フリがあるからなおさら)、ある程度の年齢になったからこそ理解できる、その歳だから(刺さる人には)刺さるものってのが特撮にはあるわけで、高校生の叶の前にエマージェイソンが現れた瞬間は思わず涙ぐんでしまったほど。
(最終回と言えば、劇中で「もうすぐ終わっちゃう」と言ってたってことはジュウショウワンはまだ最終回を迎えていない(ゲンカ将軍との戦いに決着がついていない)ということになるんだろうけど、毒濁刀を谷底に投げ捨てちゃってどうするのだろうか)

ていうかこの高校に次郎さん先生いんのかよ!!!(笑)。
ってなわけで、レジェンド・宮内洋さん登場!!に加え戦隊恒例の「スーツアクターさんの顔だし」もあったし(個人的には鈴村さんと関さんと稲田さんも顔出ししてほしかったー!)、最後まで特撮愛の溢れる楽しいドラマでした。SPでもいいから続きを作ってくれると嬉しいな!。