『ラヴ・レターズ』〜2016 New Year Special〜@PARCO劇場

坂東巳之助さんと夏帆さんのペアを拝見しました。

長年にわたり上演されている作品で、わたしは過去に二度(大森南朋さんと伊藤歩さんペアと、北村有起哉さんと田中美里さんペア)観たことがあります。
世界中で上演されているし、日本でもこれだけ続いているということはそれだけ愛されているということになるのでしょうが、わたし・・・この作品あんまり好きじゃないんですよね。
正確に言うと、アンディとメリッサという主人公の二人が嫌いなんです。

『手紙』のやりとりだけで二人の人間の人生を描く、それも10代から50代までの40年間という長い時間を・・・という作品の構成自体はとても面白いと思うのですが、とにかくアンディもメリッサもわたしにはさっぱり理解できないんです。誰が演じようとも。

幼馴染の二人は共に憎からず想いあっているんだけど、初めてのセックスが上手くいかず、やがてそれぞれ違う相手と恋をして結婚して、メリッサにもアンディにも子供ができて、メリッサは離婚しアルコールに溺れ、アンディは海軍を除隊後弁護士を経て上院議員となり、再会した二人は今度こそセックスをするが、二人の関係は世の知るところとなり、最後はメリッサの死を悼むアンディの手紙で幕を下ろす。

ざっとあらすじを書くとこんな感じなんだけど、人生の局面局面で起こる出来事や悩みに際し、その都度二人がくだす選択・決断、そういうものを「理解」はできるんです。展開として、物語としての理解はできるの。だけど「共感」は全くできない。アメリカという異国を舞台にしたアメリカ人の物語だからってことを差し引いたとしても、「おまえらなに言ってんの?」と思ってしまうのです。
だからわたしはよっぽどのことがない限り、もうこの作品を観るつもりはありませんでした。

で、坂東巳之助さんが夏帆さんとともに参加すると、それを知った瞬間即「行く!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」とチケット発売情報を確認しました。光速で即断です。
・・・わたしにとって巳之助さんは『よっぽど』の存在なのか。
巳之助さんがラヴ・レターズに出てくれたことでそれを自覚することができてよかったです。
うん。自覚だいじ。取捨選択のために常に順位づけしておくことはとてもだいじです。

というわけで巳之助さん。
役柄的に下ろしてくるのではないかとは思うものの、でも“歌舞伎役者”として舞台に上がるならばオールバックもしくはぴっちり横分けにしてくるかもしれない・・・とドキドキしていた前髪は、下ろしてる&ちょっと前髪をカットして可愛くセットされててわたしガッツポーズ!!!。さらに白シャツ希望だったんだけど、真っ白ではないもののフロントにブルーのニット(アラン柄)が施してある白シャツをグレーのチェックパンツにインするスタイルで可愛い可愛い可愛い(と開始10分ぐらい心の中でずっと唱え続けてました)。

前述したように、最初は10代初めの子供時代から始まるんだけど、巳之助さんは両足を床にしっかりつけて膝は拳一つ分ぐらい開けて背筋ピーンという入学式&卒業式スタイルで可愛い可愛い可愛い。

高めの声ではきはきと読むのは巳之助さんなりの「子供時代」の表現なのだろうと思うと可愛い可愛い可愛い。

でね、アンディとメリッサはキャンプだかパーティだかで“ネッキング”するんだけど、ネッキングを経験した直後の手紙から足を組むんですよ(笑)。俺、ネッキングしたぜ(ドヤ顔)的な感じで(笑)。クッソ可愛い(笑)。

学校を卒業し大人になる2幕ではパンツと同じ柄のジャケット+黒のネクタイを着用。ジャケットとネクタイを加えるとシャツのニット部分がベストを着てるように見えて、なるほど、こういう着こなしのための(こういう着こなしができる)シャツなのかーと感心。

わたしにとってなによりも重要な髪型も1幕のまんま、可愛いまんまで、2時間ものあいだ可愛いみっくんをずーーーーーーーーーーーーーーーっと眺め倒すことができて幸せこの上ない時間であった。

可愛いと言えばさ、二人は両袖から登場するんだけど、椅子に座るじゃないですか。そんでフーッと一息吐いて夏帆ちゃんを見て、行くよって感じでコクンと頷いて朗読を始める(アンディの手紙から始まります)みっくん可愛すぎて吐きそうだったわ(笑)。

カテコも超絶可愛くてー!!。
1回目⇒そろってお辞儀→捌ける方を“参りましょうか”と手で示すみっくん→夏帆ちゃんが歩きだそうとしたタイミングでスッと左腕を出す(腕を組むように)みっくん→照れ笑いしながら腕を組んで捌ける二人
2回目⇒そろってお辞儀→お手をどうぞと手の平を出すみっくん→手を乗せる夏帆ちゃん→そのままお嬢様繋ぎ(エスコート状態)捌けるかと思いきや、普通に手を繋いで捌けながら空いてるほうの手で客に手を振るみっくん
3回目⇒そろってお辞儀→親指立てて「行こうぜ!!」とみっくん→同じく親指立てて「行こうぜ!!」って仕返す夏帆ちゃん
ああもうぜんぶ可愛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!。

2人とも朗読の技術ってか出来は正直なところそんなでもなかったです。10代から50代まで“演じ分け”が出来てたとはとても言えないし、読みトチリもかなりあったし。
でも10代を演じた1幕は、初々しくて爽やかで、真面目で不器用で、巳之助さんと夏帆ちゃんのイメージとアンディとメリッサのイメージがそんなに違わなくて、最初に書いたようにわたしアンディもメリッサも好きじゃないんだけど、それでも可愛いなーと思えました。手紙の内容が重くなっていく2幕ですら可愛いと思えてしまったのは・・・・・仕方ないよね、だって実際目の前にいるひと可愛いんだもん。