「吉弘がついているとなると一刻の猶予もならぬ。九郎右衛門、三千でよいな?」
「はっ」
「わしは背後を突かれぬよう富来と安芸の二城を封じておく。・・・大友を止めてこい」
「心得ましてございまする」
大友を止めてこいと殿に命じられた九郎右衛門様は石垣原で吉弘統幸と対峙する。
戦場にありながらも九郎右衛門様は勝ち目がないことはわかっているだろうと説得を試みるも、一騎打ちを所望する吉弘。
首元を狙い刀を押し付ける吉弘に必死で対抗する九郎右衛門様。
その時すでに足を負傷していた吉弘はやがて力尽き膝を付く。
吉弘の首元に刀をあて「ここまでじゃ」という九郎右衛門様。
だが吉弘は九郎右衛門様の刀を掴み自らの首に押しあてる。
必死で抵抗しようとする九郎右衛門様。
刀を握り合いながら吉弘の覚悟に、吉弘の想いに、冑の下で悲壮な顔する九郎右衛門様。
「九郎右衛門殿・・・お主の家の味噌汁、美味かった。あの一年は誠に楽しかったぞ」
「統幸殿・・・っ」
「お主に討たれるならば悔いはない」
「統幸殿ぉっ!」
戦場のど真ん中で自ら首をかっ斬った吉弘を抱いて(無音で)慟哭する九郎右衛門様。
吉弘統幸が討たれたため降伏してきた大友義統に「吉弘殿のごとき忠臣の諌めを聞き入れていれば、このようなことにならなかったぁっ!!」と声を荒げ怒りを露わにする九郎右衛門様。
必死で怒りや憤りや虚しさ遣りきれなさを呑み込もうとする九郎右衛門様の背中を見ながら善助と太兵衛に目配せする大殿。
それを受け九郎右衛門様を肩ポンで労わりつつ善助と太兵衛は「皆の者勝どきをあげろ!」「次も勝―つ!!」と力強く宣言する。
兵たちを鼓舞する善助と太兵衛の背後で何かを振り切るかのごとき表情で、泣きそうになるのを必死で堪え、エイエイ「オー!」ってする九郎右衛門様!!!。
待ちに待った九郎右衛門様最大の見せ場である一騎打ちでしたが、いや三家臣に加え殿までが敵方に加わったとなると厄介だという吉弘って誰だよ!?黒田家に「食客」なる者がいただなんて知らねーよ!。
もちろん知識としては知ってるよ?でもこのドラマの中では誰それ???でしかないだろう。
お主の家の味噌汁とか言われてもしらねーよ!誰がその味噌汁作ったんだよ!?(普通に考えたら嫁だけど一生くん九郎右衛門様は独身でいらっしゃいますからね!。だとしたら下女が作ったと考えるところだけどこのシチュエーションで口にしたってことは九郎右衛門様自らおつくりになったということかもしれないじゃないのっ!料理もお出来になる九郎右衛門様とかっ!とかとかっっっ!!!)。
前フリ一切なしだってのにこれだけ情感溢れる演技であったことを思うと、ちょっとでも前フリがあればさぞかし感動シーンになっただろうなーって考えちゃうよねぇ。この戦いの最中“吉弘に味噌汁を差し出す九郎右衛門様→ただの味噌汁だと思って口をつけた吉弘が「・・・美味い・・・!」→そんな吉弘をみてニッコリ笑う九郎右衛門様”もしくは“どんぶり飯ワシワシ喰いつつ味噌汁ズズー「御代わり!」って食欲もりもりの吉弘に対面で綺麗に食事しながら苦笑する九郎右衛門様”なんて映像が挿入されてたら(とにかく九郎右衛門様に笑って欲しいの!)九郎右衛門様の慟哭や激昂が何倍も伝わるものになっただろうにと思うと悔しいやら勿体無いやら・・・。
でも一生くんの演技、特に兜の奥に見える目の演技はすごいよかった。そして大友に対する激昂な。滅多に表情を変えることがない九郎右衛門様が見せた一瞬の激情。1年間見続けた甲斐がありました。超報われた。
あと浅利くんの秀秋がさすがすぎたw。この軽薄さは孝太郎さんの慶喜といい勝負w。「うむ、しょーちした」ってもうこの言い方最高に軽すぎてさすがに三成が気の毒になったわ。圧倒的「こいつダメだ」感w。