長岡 弘樹『群青のタンデム』

群青のタンデム

群青のタンデム

あれ?結局これ二人はなんのために点数争いしてたんだ??。地位を与えることで居心地の悪さを感じさせ自主的に・・・という意図はわかる。だから男がずっと張り合い続けた理由としては理解できます。心情的には無理だけど。でも女の方もそれに付き合い続けた理由がわからない。しかも途中で同じようなことをした部下がいて、そしてそれは文字通り他人事ではないわけで、長岡さんの作品を読んで初めて「よくわからない」という感想をもちました。
繰り返すけど二人は事件以前から点数争いしてるように読めるんだよなぁ。原点は警察学校を同点首位で卒業したことにあるのだとして、これが同性ならば単純に「ライバル関係」ということでいいんだけど、警察という世界において性別の違い・・・というか「女」がどれだけハンデ背負わされるかってな話じゃないですか。体力とかそういうものを抜きにしても女ってだけでいろいろと弊害があるのが警察ですよね?(そういうイメージ)。そこを一切描かず出世争いと言われても・・・という思いが終始あって、なんかモヤモヤしたものが残る。