- 作者: 長岡弘樹
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/02/23
- メディア: 単行本
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前作は確か1編ごとに異なる視点(生徒)の物語であったのが、今作も同様ではあるものの全作通して登場する生徒がいたりするので連作短編集っぽいというか、「風間教室」を舞台とする群像劇のように読めるってのがその理由かなぁ?。
ていうか、それよりなにより『風間』の変化ですよ。前作は学期の途中で赴任してきたのが今作では入学から卒業まで「担任」やってるわけで、そのせいなのかはわかりませんが風間という男の雰囲気が変わった気がする。鋭さは相変わらずだけど、鋭さの中に優しさというとちょっと違うんだけど、人間味なのかなぁ?そういうものが感じられて、だから良くも悪くも「先生」感が増した。数少ない女生徒から恋愛感情としての好意を抱かれるぐらいですからね。それも複数から。
続きがあるとして、風間自身の変化としては“良くも”なんだけど、前作の警察学校という特殊な舞台の中で、警察官として、そして人間として生徒たちを時に一気に時にじわじわと追い詰める風間教官という男の凄みが薄れてしまったのは“悪くも”。これはこれで面白いんだけど、前作ほどのインパクトというか・・・やっぱり『凄み』という表現が相応しいと思うんだけど、そういうものはなくなってしまったかなーと。