『仮面ライダー鎧武』第43話「バロン 究極の変身!」

ヒロインが手術台の上で死んでて、その脇でライダー(高校生)がヒロインの名前を呼び続ける廃人と化してて、その向こうでは別のライダーがぶつぶつ言いながら狂ったように数式書きなぐってるという地獄絵図が子供向けヒーロー番組かぁ。
それを言うなら主人公ライダー死んだっぽいわライバルライダー怪人化して生身の人間を大の字で壁にめり込ませてるんですけどね。
さらに言えば壁に挟まれ圧死したり(結果的に)弟に殺され海の藻屑となったライダーもいるわけで、紘汰さんの台詞じゃないけどこれが仮面ライダーだなんてほんとどこで間違っちゃったんだろうなぁ。


自らの手で兄を殺し、さらに「赦す」と言ってくれたかつて兄のように慕っていた年上の友人の身体を貫いたミッチ。
紘汰を倒し、そして(ヨモツヘグリの力を使うことによって)死ぬつもりだったであろうミッチは、思惑通り紘汰を「倒した」ものの紘汰さんに救われ赦され生かされてしまった。
お前にはまだまだ先があるんだから自分で自分がこれまでにしてきた間違いを赦してやれという言葉を残し死んだ(とミッチは思ってる)紘汰さんに対し、もはや自分の罪は赦すことができるようなものじゃないと自覚したうえで、それでも舞さんを助けることができたら紘汰さんに赦される価値があったと思えるもしれないと呟いたミッチ。
これまでもずっと舞さん舞さんと言い続けたミッチだけど、この瞬間のミッチにとって「舞さんを救うこと」それだけが全てであり、それしか残されていなかった。
それなのに、舞さんはプロフェッサーの“手術”によってもう還らぬ人になっていた。(うすそうな色したw)赤ワインのグラスを片手に“手術”は無事成功したというプロフェッサーの視線の先には瓶に入った黄金の果実。
呆然自失のミッチに対し「なぁ、呉島の坊ちゃん。貴虎に教わらなかったのか?なぜ悪い子に育っちゃいけないか、その理由を。嘘つき、卑怯者・・・そういう悪い子供こそ、本当に悪い大人の恰好の餌食になるからさ!」と悪魔のように告げる戦極凌馬。
確かにミッチは悪い子です。嘘つきだし卑怯者です。舞さんが死んでしまったのもロシュオに預け、さらに戦極凌馬に預けると2度も預ける相手を間違えたミッチのせい。全部ミッチが悪いんです。悪いことをしたらお仕置きが待ってる。大人で言うなら報いだよね。因果応報。
だからミッチが何らかの報いを受けるのは、罰を受けるのはこれまでしてきた数々の悪事を思えば当然だし、そうでなくてはならないとは思う。でも、でもこれは重すぎる。
ヨモツヘグリを手にした時点で、ミッチは自分の命を引き換えに舞さんを救うつもりでいたのだろう。それはミッチのとって最後に残された希望なわけで、今のミッチにとってはそれしかないわけで、その希望が奪われる、打ち砕かれるってのはこれ以外にない『罰』だとは思う。でも酷すぎるよー!。
摘出された黄金の果実が舞さん改め始まりの女化し、「ミッチと過ごした時間を忘れない。さようなら」って言われちゃったわけだよ?。
紘汰にこれから長い道があるんだからと言わせたうえで廃人になったわけだよ?。まだ10代の子供なのに、この先ずっと廃人として生きていかなきゃならないわけだよ?。死んだ方がマシだろう。
ミッチはさ、「子供」なんだよ。どんなに小賢しいこと言ってても所詮は悪い大人に騙されいいように操られる浅はかな子供でしかないのよ。そんな子供が受ける罰としてこれはエグすぎる。
そこまでの罰を受けなくちゃならないようなことをミッチはしたかなぁ?。
・・・・・・
・・・・・・・・・・・
しましたよね・・・・・・・・・。
じゃあしゃーない。


廃人ミッチはやっぱり白いパジャマで裸足だよねっ!?。
白パジャマでベッドに腰掛けてぼんやりしてたり、窓の外の月を見ていたり、屋敷内をフラフラとさまよったりする裸足のミッチはそれはそれで!!!。


で。
ミッチにそんな罰を与えた本当に悪い大人である戦極凌馬はそこいらに生ってたヘルヘイムの実を喰うという賭けに出て勝ち(戒斗的に勝算はあったのでしょうが)自力でオーバーロード化した戒斗によって致命傷を与えられ、自ら転落死を選んだ。
ミッチに与えられた罰を思うとミッチ以上に“悪人”だった男への罰としては軽すぎると思ってしまうのだけれど、「私のドライバーに頼らず人間を超えるなど!」と最後の最期に見せた本心、素顔は最高に醜かったし、自分が関知できない、理解できないところで進化した存在に倒されるってのは、プロフェッサーにとっては許し難い、耐え難い屈辱なのでしょうから、この“あっけない”とすら思える死に様(いや、大の字プレイは強烈だったけどw)は相応、なのかもしれないね。
しかし凌馬さん、思ってた以上に髪が長くてちょっとびっくりしたわ。
あとミッチに最初にぶち込んだキックがなんか妙にカッコいい角度で、青木くんに顔面蹴られる高杉くんなんてものを拝めることはもう二度とないかもしれないので興奮しながらありがたく頂戴いたしました。


あとは1話から出てた金髪舞さんが正真正銘「舞」だったことが明らかになったわけですが、タイムスリップし過去を変えようとしたら歴史の修正力が働くってのは常識のようなものだけど「強制力」ってなんだ?と思ったら「うまく喋れない」って適当すぎてワロタw。“言ってる言葉が意図した通りに伝わらない”ってんなら分かるけど“言いたいことと違うこと言ってしまう(ポエムに変換されてしまう)”ってなんだよそれw。
てかミッチに別れの言葉を告げ「私も精一杯出来ることをやってみる」っつって過去へと飛んだものの紘汰と戒斗とミッチの前にそれぞれ1回(紘汰の前には2回ぐらい姿見せたっけ?)顔だして思った通りのことが言えないからって次の瞬間元の時間に戻ってきてんのが面白すぎてw。諦めんの早すぎだろw。それのどこが「精一杯」なんだって(さすが舞さんクオリティw)。
ていうかそこまで行ったんだったらもうちょい前まで遡ってヘルヘイムの実食おうとしてる裕也止めてやって。そもそも紘汰が変身して戦う羽目になったのは中身裕也のインベスに出くわしてしまったからだし、歴史の強制力?矯正力?だかが働いて結果謎ポエムにしかならなかったとしても、見てる者としては「止めようとした」って事実は大事だからさ。


オーバーロードになった戒斗を死んでなかった紘汰が止めるにしても、その戦いはヘルヘイムの森が今この瞬間も地球全体を侵蝕してることに対しては特に影響を及ぼさないんですよね・・・。なんか・・・ほんと・・・何のために戦ってるんだろうか?というか、何やってんのこの人たち??と思ってしまうのですがもうすぐ最終回ですね・・・・・・。