『仮面ライダー鎧武』第28話「裏切りの斬月」

予告にあった貴虎さんがシドと湊さんとミッチを率いる図はなにがどうなってこうなるんだ!?と思ったら、オーバーロードと葛葉紘汰について嬉々として熱弁をふるう道化以外のナニモノでもない貴虎さんを抹殺するための、貴虎さんが裏切られるための、死に場所へ向かう図であった・・・。
そして『光実、お前が人類を救うんだ!!』ってのは、シドと湊のみならず「友」だと思っていた凌馬にも裏切られた兄を見殺しにしようとしている弟へ向けた言葉であった・・・・・・。
ミッチの底なしのクズ化と反比例するように紘汰のツンデレナイト化してる戒斗さんにも『敵』として認定・確定されてしまったし、もうミッチ浮上の目はなくなりましたね。
シドがギリギリのところで止めに入るんじゃないかと思ったけどと言ったように、凌馬たちはその想定もしてないわけじゃなかったと思うんだ。なんだかんだ言ってもミッチはまだ高校生だし、高校生でなくとも実の兄が殺されるのを黙って見ていることができなくて当然だもん。だからおそらく凌馬たちはギリギリのところで弟が兄の殺害を止めようとしたならば、その時は弟もろとも殺すつもりでいたのだと思うの。そしてミッチはそのことを「解ってた」はず。だからミッチが涙目で堪えた気持ちはわからんでもない。自分に逃げろと、このことを本部に報告するんだといい、そして葛葉紘汰と共に人類を救うんだとその『想い』を託されながらミッチは必死で堪えてたんだよね。耐えてたんだと思うの。思いたい。だけどミッチは兄のドライバーを拾った瞬間邪悪な顔をした。その後の行動を見ればミッチがその瞬間何を考えたかは明白。今さっき兄が仲間と信じた者達から抹殺される様を目撃したというのに、兄を見殺しにしたというのに、弟は兄の『夢』であるドライバーを使い紘汰さんの希望を打ち砕く計画を思いついていたわけだよね。
・・・もうこれ無理だろ。どうやっても改心の余地ないだろ。
下が水でこそないっぽいものの(ヘルヘイムの森の中に川があることは何度も描写されてるから崖落ちと見せかけて川落ちだった線もまだ捨てきれませんが)「この高さから落ちれば命はない」ってのは特撮においては生存フラグだから貴虎さんは生きてるんだろうけど(でも戦極ドライバーって生体認証ってか最初に装着した者でなければ使えないってな設定だったよね?とするとミッチが斬月・真になれたということは装着権がミッチに移ったということになろうわけで、ということはそれまでの装着者だった貴虎さんが“なんらかの理由で”その権利を手放した、ということではないのか?)、紘汰に殺すつもりで背後から銃弾ブチこんだことに続いて(たまり場に“自分を心配しながら”現れた紘汰さんをみてお手本のような舌打ちしちゃったしねー)兄を見殺しにしたことは『事実』なわけで、死ななかったからいいってなもんじゃないよね。殺されかかった当人である紘汰と貴虎が許しても視聴者感情としては許せないだろ。
これがせめてミッチなりの『信念』による行動であるならまだしもそうじゃないんだもん。とにかく葛葉紘汰憎し(+保身)ってだけで、そんな超私的な感情でここまでするとか気持ちとして理解できないじゃん。そもそも舞さんと紘汰さんへの執着ってのは呉島家の人間として敷かれたレールの上を走るしかない人生からの一時的な逃避、ひいては兄への反発から生まれたものだったはずなのに、ミッチお前何がしたいんだよ!?としか思えないじゃん。そんな状態から改心されても・・・ってな話だろ。
あーでも超私的な感情だからこそ改心が容易ってこともありえるのか。紘汰さんへの憎しみが解消され「ごめんなさい紘汰さん」って泣いて謝ればそれでミッチの“闇”は晴れるのかもしれないか。うーん。
今後のミッチがどうなるにせよ、役としても演者としても高校生にこんなことを背負わせるのってどうなんだろうなぁ・・・とか思っちゃうなぁ。物語に必要な展開なら納得もするだろうしそれはそれで演じる意義や価値を見いだせるだろうけど、現時点では必要だとは思えないというか、なんでこんな展開になってんだ?としか思えないもんなぁ。特オタなんて声がデカイだけでさしたる数がいるわけじゃないだろうけど、それでもこの先高杉くんがずっとミッチを背負っていかなきゃならないと思うとちょっと辛くなってきたわ。