読みましたというだけの記録

湊 かなえ『Nのために』

Nのために

Nのために

最初の1.2作にあった強烈な“毒”は薄めなので、これまでに刊行された作品の中では一番読みやすい気がします。でもタイトルと登場人物を見れば早々にどういう形の作品なのかということは読めてしまうので、毒が薄めならばもう一捻り何かが欲しかったなーと思う。


誉田 哲也『主よ、永遠の休息を』

主よ、永遠の休息を

主よ、永遠の休息を

展開や結末、後味の悪さなんかは結構好みでしたが、ヒロインのモノローグ調の視点が気持ち悪かった。主人公の新聞記者の先輩や、ヤクザとその舎弟、ヒロインの友人など人物造詣の上手さは相変わらずなのですが、なぜか肝心のヒロインと主人公、そしてキーパーソンとなるヒロインの父親に魅力がないから誰一人共感というか視点を添わせられずに終わってしまった感じ。ていうかまずは警察に連絡しろよと。


永瀬 隼介『越境』

越境

越境

いつものごとく、取材の成果であろう中国の描写なんかは抜群のリアリティなのですが、それ以外がチープなのもいつも通り。