『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』第2話

初回は延長だった(から長かった)ことを差し引いても、1時間があっっっっという間に過ぎてった。2話が終わった瞬間「はやっ!!」って声に出して驚いたぐらい。

各設定説明を初回でしっかり終えてることもあって、案件をじっくり描いたせいかいい意味で分かりやすい&見やすかったし、赤楚くんの大庭くんが加わることで変わってしまうのではないかと思ったテンポ感も「3人」のシーンは予想よりもはるかに少なく、石子と羽男は引き続きの丁々発止で、石子と大庭、羽男と大庭 とそれぞれ初回にはなかった雰囲気のシーンになっていて、全体のテンポに緩急ができた感じで悪くない。
まあ石子でも羽男でもそれを聞くことはできただろうけど、パワハラを受けていた大庭だから子供に「いじめられてないか?」と直球で聞けた(すぐその可能性を考えることができた)ってのは評価ポイントであるものの、今のところ大庭くんの存在がいるかいらないかっつったらいらないかなーとは思うけど。

履歴書に前の職場をパワハラを理由に退職して現在も係争中ですと書いちゃう馬鹿正直者という扱いだけど、でも小関くん(役名忘れた)に返答を急かすようなLINE(最後の文面は支店長の仕業だけど、それ以外は大庭自身が送ったもので、それは「圧をかけてる」と受け取れなくはない程度)を送ってたわけでさ、それは履歴書の記述と同じく「愚直さ」の現れなんだと解釈するとしても、それでもここから大庭くんを「石子さんに憧れるややポンコツ気味の後輩」キャラにするのは難しいというか、引っかかりを覚えるところがあるんで、その引っかかりこそが大庭というキャラクターが存在してる「理由」なのかなと、それが理解できる瞬間が楽しみではある。

で、楽しみにできるのは2話のゲスト話の描き方がとても好みだったから。
案件の内容としては「子供がソシャゲに高額課金をしてしまい請求が来た。子供がしたことなので支払いを免除できるか」というもので、そこに「毒親」とか「親ガチャ」とか「アカウント乗っ取り」というイマドキのワードを織り込んでたんだけど、富田望生ちゃんが演じた塾の事務員については背景がどうあれ言い分がどうあれ石子と羽男は斟酌することなく警察に引き渡すというドライな判断をし(そこには前の職場でも同じことをやってたことも加味されてるのだろうし、その一部始終を目撃していた・させていた子供たちに対するメッセージも込められていたのだろう)、年齢確認表示画面の違いを理由に支払いを免除できそうだったところを、依頼人である母親から先に「子供と共に支払います」と言わせたうえで、子供の「本心」を衝くという、このバランスが心地いいんだよな。

塾を辞める理由を作るために高額課金をするという方法を思いつき、でも金銭的負担を親にかけさせたくはないから「子供のしたこと」を理由に支払いを免除してもらうことができるのかを法律の専門家に事前確認するってのは言ってしまえば「悪質」だと思うの。
だけどそれは親のことを思って、ダブルワークしながら食事をしっかり作ってくれるどころか一人で食べる自分のために動画で寄り添ってくれる母親が疲れ果てて寝てる姿を見た子供が子供なりに考えた末にやったことで、しかも本当は「受験したい」んだということを母親(と視聴者)が理解したあとで「支払います」となるのではなく、それを知る前から親子の間で「一緒に支払う」という結論を出していたと。ここが弁護士とパラリーガルという法律に関わる仕事をする人間を主人公とするドラマとして、いいなと思える。

そして今回の案件で勝手に子供たちに接触してクレームを入れられるほど石子が関わった背景には自身の事情(母親との関係)があったからで、「親子」の話をした次回では羽男の家族の話になるらしいと、ここいらへん連続ドラマとしての流れも考えられていて、2話にして既にこの作品に対する信頼がわたしにはある。なので素直に「楽しみ!」と言えるのだ。