桐野 夏生『日没』

日没

日没

小説家・マッツ夢井のもとに「文化文芸倫理向上委員会」から封書が届く。それは作品に対する読者からの提訴を受け審議会を行うので出頭しろという「召喚状」であった。不審に思いながらも指定された茨城の端まで出向いたら、「療養所」と呼ばれる断崖絶壁に建つ建物で研修という名目の軟禁状態となってしまう。

という始まりで、あとはもう延々とその「軟禁生活」が描かれるだけの小説で(この場合の「だけ」というのは悪い意味ではないです)、テーマというか、どういう要素を内包しつつ描かれた作品なのか、ということは解る(と思う)んだけど、例えて言うと料理の種類(和食とか洋食とか)はわかるし、材料もだいたいわかるんだけど、でも出された料理は「え?これどうやって食べるんですか?というかそもそも食べられるんですか??」という気しかしない・・・的な感じであった。メンタルやられたわ・・・。