桐野 夏生『バラカ』

バラカ

バラカ

いやあ・・・なんかすごかった。未婚独身アラフォー女がいろいろ思うところがあって子供を欲し、ドバイの子供市場で幼女を買うってな話が東日本大震災を挟んでなんかもう・・・よくわからないとしかいいようがない話になっていくんですが、面白くてたまらないとかそういう感じの「ページを捲る手が止まらない」のではなく自分でもほんとなんだかわからないんだけど、とにかくこの本に没頭するあまり電車を2度乗り過ごしました。2日連続乗り過ごしたわ。
なんだろう・・・別に自分に置き換えてどうこうってわけではないと思うんです。置かれている状況、属性はおもいっきりどん被りなものの私は他人にどう思われようが子供は全然欲しくないし、とりあえず今のところはまだ寂しかったりもしないし。ていうか、冒頭で書いたように最初は人身売買(子供を得るために買うという手段を選ぶまで、買ってからのアレコレ)の話であったものが震災を境目に全く違う話になっていくんですよね。そこにアラフォー未婚がどうのこうのってな要素はもはや皆無。読み終わってなおこの小説がなにを描いていたのかわからない。
だからこの物語の何に、どこにどう惹かれたのかはわかりませんが、自分比としてすごく没頭しました。憑りつかれた、もしくは魅入られたと表現してもいいほどに。