『仮面ライダーゼロワン』第35話「ヒューマギアはドンナ夢を見るか?」

一斉に暴走したヒューマギアの集団に殺されそうになった過去を持ち、だからすべてのヒューマギアをぶっ潰す!という行動原理はとてもわかりやすく、そしてその激しい怒りのパワーで使えるはずのないものを「力でこじ開ける」という物理的な理由でもって我が物にし、戦う不破さんがわたしは好きでした。
でもヒューマギアに命を助けられ、苦しみ、戦いながらヒューマギアに対する認識が少しずつ変わっていくなかで自らの脳内にテロリストヒューマギアのチップが埋め込まれていることを知り、それをも気合いで乗り越える不破さんがわたしは好きでした。

過去が嘘であったどころか、ほんとうの過去は普通過ぎてつまらないものであったとしても不破さんは不破さんなのでしょう。不破さんは不破さんなのでしょうが、それはもう、わたしが好きだと思った不破さんではないのです。「不破のふとんがふわっとふっとんだ」というギャグ(・・・ギャクなのか?)に堪えることなく(隠すことなく)腹を抱えて大笑いしてベッドから転げ落ちる不破さんは、わたしが好きだと思った不破さんじゃないんだよ。

ていうか、仮面ライダーになるために脳内にチップ入れられたってな話だったように記憶してるけど、亡が解放された今(滅を助けに入った亡が「私の夢は滅の夢をかなえること」とか言い出すからびっくりしたわ。滅と亡の間に、というか、亡が滅に対してそれほど強い感情を抱いているような描写皆無だったから)、不破さんってもう仮面ライダーに変身できないってことじゃないの?。刃のチップの中身がどんなだか知らんけど、亡のデータである必要はないんだろうから刃に必要なデータを入れてもらえばいいだけかもだけど。

てか「なにもない、普通の人生」を送ってきたという不破さんがどんなキッカケ、理由でもってA.I.M.Sという武力を伴う特殊機関に就職し、頭にチップ入れられ偽記憶を与えられる羽目になったのか、わたしが知りたいのはそこなんだけど。

この先おそらく亡と不破さんの間でなにかがあるだろうけど、それは滅亡迅雷の動向に直接関係することになるんだろうけど、そもそもなんで不破さんの脳内に亡のチップが入れられたのか、「そこ」が明確にならないと盛り上がりようがないでしょ。

しかし「普通すぎてつまらん人生」ってすごい言い分ですよね・・・。よくもまあ他人の人生を「つまらん」とか言えるなと。解放に手を貸した亡が目の前でZAIAスペック装着者を暴走させてんのを黙ってみてたし、刃はもう(わたし的には)ダメかな。


あとまあこれは言っても虚しいだけなんだけどさ、主人公がいつまたバグが発生して暴走状態に陥るかわからないから「今ZAIAスペックなんか使っちゃだめだ」とか言ってたような気がするけど、理由はどうあれ暴走が続くヒューマギアをなんの対策も取らず販売しつづけてたお前が言うなって話。