『監察医 朝顔』

テーマというかやりたいことというか、ドラマの方向性はだいたいわかる初回で、それに対し誠実に作品作りをしようという想いも伝わってはくるのですが、いかんせん月曜から見るには重い。
かつては恋愛ドラマ枠(のイメージ)だった月9ですが、ここ2年ほどは刑事モノと医療モノなど「仕事」と「恋」で言えば明らかに前者寄りの作品が続いていて、今回もその路線に乗った作品ではありますが、見続けるのはちょっと厳しいかな・・・と思ってしまうほど重い、というか、辛気臭い。話の暗さでいえば絶対零度やトレースもそれなりだったように記憶してるけど、違いはこの「辛気臭さ」。

父親と祖父の関係性を含めた主人公の背景はそれとして、『倉庫で溺死』の謎解きが「弁当箱がおじさんみたいとバカにされたという娘のために可愛いお弁当箱を買ったらひったくりに遭い、弁当箱を奪われまいとした(せいで死んだ)」って、「それでも家に帰ろうとした(から自宅と似てる倉庫で死んでた)」って、これが娘と夫にとって救いになるか?。
自身も母親を亡くしてる、なんなら「自分が行っていれば、止めていれば、母親を死なせずに済んだかもしれない」と思っているのかもしれない主人公が、判明した事実に加えて何を言ってあげるのだろうかと思ったら「お弁当箱を選んでる時楽しかったと思う」って、え?そんなこと・・・?。
ドラマを通しての縦軸は主人公自身の物語だとして、毎回のゲスト話で描くべきものは死因を突き止めることではなく、突き止めた先に見えた死者の想いを残された者にどう伝えるか、残された者がどう受け止めるか、だと思うのだけど、「母親に会おうとしなかった娘が母親の遺体に取り縋って号泣できた」なんてものを見せられても、どんよりとした気持ちにしかならないんだよなぁ。

連ドラ好きのわたしではありますが実は「放送枠」ってそんなに気にしてなくって、それより放送局というかスタッフ陣のほうが重要だと思ってはいるのですが、このドラマは木曜10時のほうがよかったのではなかろうか。もう一度言うけど月曜から震災をこういう形で取り入れる監察医を主人公とする(ゆえに毎回「人の死を扱う」)ドラマは気持ち的に厳しいです。

これで主人公の彼氏であり、人事異動で赴任してきた彼女の父親とコンビを組むことになってしまった風間俊介さんがどんどんと病んでいき追い詰められていく可能性を見いだせるのであれば「その視点」で楽しむことができるのですが、今回の風間さんは9割9分「やや頼りないしLINEめっちゃ送ってくるけど真面目な人間」でキマリだと思うので、今期はもう1本監察医モノがあることだしリタイアするのもアリかなぁ・・・。
(あ、でもわたし基本録画視聴だから曜日とか関係ないか。録画して火曜日以降に見ればいいだけじゃんねw)



それはそうと、これ(この出番、このポジション)で「月9」に出演する山口智子のギャラはおいくらなのだろうか。