『3150万秒と、少し』@天王洲 銀河劇場

演るほうはもちろんのこと、観る方も消耗する舞台でした。ハッキリ言って、辛かった。
「生と死」という強く揺るぎないテーマがあるこの作品をやる意味であり意義があることはわかるんだけど、それをこの面子でやることないんじゃないかなぁ?という違和感?・・・とはちょっと違うんだけど、座り心地の悪さみたいなものが何度観ても消えなかった。
千秋楽のトリプルカテコで出てきた相葉っちが
『(相葉っちが演じた)悠也の気持ちが高校生の方だとよく分かると思うのですが、それよりももうちょっと上の・・・』
と言ったところで袖から加恋ちゃんに「時間ですー」と指摘されたもんだから『・・・以上です! 本日はありがとうございましたー!』って有耶無耶になっちゃったんだけど、多分相葉っちは「高校生よりも上の年代の人には分かりにくい(伝わりにくい)」って続けたかったと思うんだよね。「分かりにくいかもしれないけど、それでも何かが伝われば嬉しい」的な、そういうことを言うつもりだったのだと思う。あのタイミングで加恋ちゃんにぶった切らせた誰かを恨むけど。
でさ、この舞台ではリピーター特典システムがあったんだけど、手際が超絶悪かったことを差し引いてもものすごい数のリピーターが列を作ってたわけですよ。つまり連日客席を埋めてたのはリピーター=そういう層だってことだと思うのね。ハッキリ言っちゃうとそれなりに稼げる大人ですよ。じゃなきゃ同じ舞台を何度も観るなんて普通はできないでしょ。
つまり主演の二人についてるのは“そういう客層”だってことなわけ。
つまり相葉っちが言う「高校生よりももうちょっと上」の年代層だってことなわけ。
そういう客席に向けて伝わらない、届きにくいと思いながら演じる相葉っちはさぞかしキツかっただろうなぁ・・・って思うんだよね。想像だけど。
繰り返すけどこの舞台、というかこの原作はきっと“いい作品”なのだと思う。届く人には多分頭ではなく心にダイレクトに届くのだと思う。明らかに粗い展開や描写の浅さなんかに引っ掛かることもなく、いや引っ掛かったとしても、それでもこの作品に込められた想い、本質、そういうものを感じとれる人には届くのだろうと思う。
で、やっぱりそれは相葉っちが言うように悠也と直人の「同年代」なんだろうなーと。『自分で決めた限られた時間の中で死ぬために生きる』ことになにかを見出せるのって、その時間をこういうことに使えるのって(そういうことに使うために自分の時間を限るのって)やっぱ10代までだよなーと。
でも何度もリピートして客席を埋めてるのはおそらくほとんどが大人。
頭で理解することは出来るけど、気持ち的にはついていけない。理解はできるけど付き合いきれない。わたしはずっとそんなことを考えていたような気がします。
自分の印象で全体を語るつもりはないけれど、この齟齬が舞台と客席の空気が一体にならなかった理由なのではないかなと思う。
でさぁ、思ったんだけどさぁ、これそれこそ24時間テレビ内のドラマにすればいいんじゃないかなと。これだけの力がある物語なんだから受け取り手が限られる舞台なんかじゃなくもっと多くの人に届ける形で作ったほうがいいんじゃないかなーって思った。舞台だとどうしても伝えられる情報量が限られるけど映像ならば例え同じ尺であっても何倍もの情報を詰め込める。とにかく「1年間でやりたいことリストを消化する」ためにぶつ切れ状態だった流れももっと隙間を埋めることができるだろう。そしてなによりも本来観てほしい、観るべき大勢の人たちに届くだろうわけで。

つーか言葉を選んで選んでここまで書いてきたけれど、わたしの言いたいことは実はこのひとことなんだけどね。



相葉っちとマベ様にるいるいにソラン(あとまぁさとちゃんも)と、これだけ動ける人を集めておいてこんな辛気臭い話やってんじゃねーよおおおおお勿体ねーだろうがあああああああああ!!!



途中で相葉っちとマベ様が玩具の銃をぶっ放しながらキャッキャするシーンがあるんだけどね、そこ二人ともキレッキレなわけ!銃構えるポーズが超絶キマッてるわけ!!
(そのあと強盗するってんでウサギとライオンのリアルマスクを装着するんだけど、ウサギマスク被った相葉っちがマジイケメンウサギすぎてワロタw。顔隠すと尋常じゃない二次元スタイルがより前面に出るからマジイケなのよwww)
こんなのさー、カッコよくキメようと思っても誰もがキメられるわけじゃねーんすよ。それが二人も揃ってるんすよ。せっかく相葉っちとマベ様がW主演なんだから二人は兄弟で王の座を争うとかさー(その場合さとちゃんは「相葉っち兄さんもおざりょ兄さんもやめてよ!」って泣いてすがる末弟(ヒロイン)で)、相葉っちは剣使いでマベ様が二丁拳銃使いなライバルだけどやっぱり相棒なヴァンパイアハンターとかさー、そういうのが見たかったの!。
別にこういう話が見たくないってわけじゃねーんすよ。ていうか一緒に入ったお友達が何の気なしに言った「こういうのってさとうたけるとみうらはるまとかでやれば若い子バンバン入りそうですよねー」に「!!!!!」って目ん玉ひんむいて全力同意せざるを得なかったんだけど(つーかそれ超みたい!はるたけでこの話だったらバスタオル持参で全通する!)、ほんと適材適所ってあると思うんすよ。
とまぁ・・・・・・そんな感じでした。


楽でトリプルカテコまでは予想してなかったらしく、相葉っちとマベ様二人で出てきたはいいけど「3回目は想定してなかった・・・」と舞台の真ん中でコソコソを相談してたんだけど結局グダグダで、おまえら何を相談してたんだと(笑)。
マベ様はまぁいつものように役を一切引きずることなくただのおざりょだもんで相葉っちはそんなおざりょを薄笑いで見守ってるってな感じだったんだけど(薄笑いの相葉っちマジ酷薄そうでタマランわーw)、どういう言い回しだったかちょっと記憶が定かじゃないんだけど「この物語をどうみるかしたかによって・・・ん?みるかしたか?」とか残念な日本語状態になっちゃったときにすかさずマベ様が「悠也の視点でみるか直人の視点で見るか、死んでしまった仲間とか親とか先生の大人で見るかってことで」とおざりょにフォローされるどころかどんどん勝手に説明されちゃって苦笑いしつつ「俺がしゃべんだから!」ってマジツッコミする相葉っちがわたしはだいすきです(←どんなまとめw)。