劇団☆新感線2011年夏興行・いのうえ歌舞伎『髑髏城の七人』@梅田芸術劇場 メインホール

発表になった瞬間からしろめったり目の前真っ暗になったり漏らしそうになったりといろいろありましたが(笑)、ようやく見れたよワカドクロ!!。
捨之介と天魔王をはっきりと分けて描くということでどれほどの改変がなされるのかとドキドキしていたのですが、確かに捨も天もこれまでのものとは大分違って、なんていうか・・・・・イマっぽい感じにはなっていたものの、思ったよりも髑髏城でした(あたりまえだw)。
いやだってさぁ、聖子さん贋鉄斎がこの舞台を締めてくれるであろうことは分かりきってたことだけど、サンボくん三五が出てくると安心するんだぜ?w。
でもだからといって何が起こっても不思議じゃないようながむしゃらさというか危なっかしさというか、そういう「若さ」特有の熱や勢いがあるというわけでもなく、そういう意味では安心して見られるかな。だからサンボくんに対する安心感ってのは「劇団員さんだー!よかったこれ新感線だよね?」的な安心感です(笑)。
そんなわけでの初見感想は・・・(以下内容に触れてます↓↓↓)







一蘭兵衛最強すぎる!!!!!!!!!!!



やべーよ。まじやべーよこの蘭兵衛。
わたしの髑髏歴は初演は未見で97年とアカアオは生で見ましたという至って新規のソレなんですが、なので新規のくせにナマ言ってんじゃねーよとどつきたくなる方もいらっしゃるかもしれませんが、でもわたしにとってこの蘭兵衛は過去最高に好みの蘭兵衛!!!。
もうねー文句ナシに美しいんだよね。いかにも脆くて儚くて、いつ壊れてしまってもおかしくないとすら思えるほど。でも、でもね・・・ものっそい荒いの(笑)。超オラオラなの(笑)。登場シーンとかまさに黒い疾風って感じで飛び込んできたかと思ったら敵味方関係なく触るものみな傷つけたって感じで暴れまくるわけですよw。で、ちょっと息上がってんの(笑)。
なにこれちょおカッコイイよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお(気持ち的には号泣w)。
そんでね、それまでは色街の主として禁欲的・・・・・・・・・のつもりでしょうが捨との絡みで色気ダダ漏れ(笑)の黒服蘭兵衛なんだけど、自ら作った居場所=無界屋のやつらを守るために白いお衣装に着替えて天魔王の元へ向うのね。捨に「動くな」といわれたのにわざわざ着替えて出向いちゃうの。そんで天魔王のお城を前に美しい笛の音を響かせたかと思ったら・・・・・
オラオラ始まったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!(笑)。
ヒイイイイイイイイイイイッ!まるで舞い踊る天女のごときお姿なのにオラオラ笛で雑魚どもぶっ倒しまくるドチンピラ蘭兵衛ヒイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!
なにこれ素敵すぎて息できない・・・・・・。
太一の体捌きってか回転と刀(笛)振り回す速度はすげえ。ていうか蘭兵衛が一番スゴ腕に見えるっていいのかな?(笑)。
そして間違いなくワカドクロ最大最高の見せ場である天VS蘭がすげーのなんのって。その前に天魔王未來ちゃん(マスクとったら頭からなんか生えてたよ?w)の赤マントプレイにウヒョウヒョなるし、このへんはちょっと頭おかしくなりそうです、マジで。
ていうか蘭兵衛が蘭丸になってからがやっべえええええええええええええええええええええええええええの!!!!!
未來×太一(←くくるなw)でやらせるかなーと思ってた薬入り赤ワインの口移しがガッツリあったんだけど!しかももうガッツリベロチューなんだけど!!。強引に口を塞がれ上半身に圧し掛かるようにして押さえつけられ足をバタつかせながら「・・・んぐっ・・・っん!」とか言うのね・・・太一が・・・・・・・・・・・・。そんで口の端から喉元に赤い汁をタラーっと垂らすね・・・太一が・・・・・・・・・・・・。未來ちゃん天魔王が太一蘭に「俺が欲しいのはお前だ、蘭丸」とか言うのね・・・・・・・・・・・・。そんで未來ちゃんの手からワイングラスをもぎ取り一瞬のためらいの後グイっと煽るわけですよ。
あっぴゃー。
それ以降、白いひらひらのお衣装を身に纏い蘭丸に戻った太一がやっべえんだよおおおおおおおおおお!。もうずっとフラッフラしてるのね。酩酊状態なの。捕縛された捨を天が甚振ってるのに我関せずって顔でワイングラス片手にフラフラヒラヒラしてんだけど(ここ、ナリ様の天草四郎を思い出した)、でも時折上目でチロって捨を見るのね。殿の遺骨で作った数珠を弄びながら。無界屋の女や従業員たちを数珠イジイジしつつヘラ〜リユラ〜リ笑いながら剣筋鋭く斬る蘭丸の壮絶なまでの凄味と色気とかなにこれ。もうなにこれほんとおかしい。太一おかしいよ。
ていうか粟根蘭兵衛なんかは「こ、この人が森蘭丸っ!?」って衝撃がありありとあったけど、太一蘭兵衛は見るからにすごい過去背負ってる空気纏いまくりなもんだからいざ実は森蘭丸ですお!と言われても「なるほどですね!!」と頷けてしまうんだがいいのかw。
あと沙霧へのアドバイスや蘭兵衛の裏切りを知った瞬間の逆上っぷり、そして蘭兵衛にトドメ刺すくだりからして小池姐さん極楽→蘭兵衛だと思うのだけど、今回の極楽は女の匂いたちまくりな上に貫禄たっぷりのまさしく姐さん!!なので、そんな太夫が惚れる相手としては太一蘭兵衛は若すぎるかなぁ・・・・・・なんて思ってたんだけど、今感想ポチりながら(でもヤンキーって結構姐さんタイプの女が特攻系の年下男にメロメロだったりするからアリっちゃアリなのか・・・)ってな気になってきたかも(笑)。
まぁそんな感じで超絶素敵太一です!!。既に持ってるにも関わらずさらに幕間で東京のチケ探して押さえたぐらい素敵だよ(笑)。


小栗さんは出オチ(笑)。登場してその見映え(スタイル)のよさで会場の視線を一気に集め、タイトルバックですっくと立つ小栗捨之介は抜群にカッコよかった。バカじゃねーの!!ってぐらい格好よかった。でも残念ながらそこがピークなんだよねぇ・・・・・・。
あ、あと左太もも(笑)。
でもこれは小栗さん自身がどうこうというよりも今回の捨之介の描き方によるところが大きいと思う。天蘭と比べると明らかに“背負っているもの”、もっとはっきり言っちゃうと“天=殿への想い”を感じさせる描写が少なくて、だから二人と比べると薄い・・・・・・感じに見えちゃうのかなぁ。いや、決して天蘭も人間的に厚みがあるとは思えないんだけど(天なんて言ってしまえば殿ガチオタの中二ですからねw)、二人があまりにも狂気であり情念の人として描かれているのでそれと対になる存在としては小栗捨は(動機付けが)“弱い”。
捨之介像としては明らかに先輩二人とは違う新しい捨になってます。あらゆるものを捨てた(つもりでいる)(捨てたいと思っている)(でも捨てられないものがある)抜け感というか枯れ感というか、そういうものはないと思うし、当然のこととはいえ古ちん捨や染捨が垂れ流してた色気も感じられません。捨が女にモテるのって、どれだけ飄々としていながらも軽い言動をしようとも女は男が背負ってるものを子宮で感じとれるというか、女たちには言葉じゃない本能で捨の「男っぷり」を見抜かれてしまうからだと思うのだけど、小栗捨の背後にはまぁ単純な表現をしちゃうと「影」が感じられないんだよね。いや、見た目(スタイル)はダントツだからモテるのはわかるんだけどさ(地の人だからぱっと見からして明らかに目立つルックスでいいのかな^^とか思ったけどw)、内面から滲み出る男の色気はない・・・・・・かなぁ。いかにも女好き(そして“なぜか”女に激モテる)に見えた古ちん捨や、わっけわかんねー色気がダダ漏れしてた染捨と比べると小栗捨はそっち方面淡白に見える。
ていうか千葉哲也さんの狸穴さんが渋い大人の色気を出しまくってるから(本来ならばこれ捨が出すべき色気だよね?)、その影響を受けてるってのは多分にあるかな。だっておよしのために激昂する狸穴さんとかカッコよすぎてたまらんし!!。なんていうか、さすがに男の年季が違うよなーと。
小栗捨はなんかねぇ、近所の頼りになるあんちゃんってな感じに見える。お友達が存在感が江口に似てると言ってて納得しちゃったんだけど、存在感が陽性なんだよね。ガキ大将タイプというか。だから天蘭の哀しくて愚かなまでの『殿しかいない』度と比べるといくらでも他の生き方があるような気がするし、お互いの向こうに殿を見て激しく求め合う天蘭の間に捨が入る余地ってか入れる必要がないようにすら見えるのよね。すごいこと言っちゃうけど、邪魔にすら感じた瞬間があったもん・・・。
でも今回の沙霧と捨は天魔王と区別する必要がなくなっちゃったから“あの設定”がなくなったんだよね。だから沙霧が捨に懐く明確な理由がなくて、でも髑髏城に助けにいかねばならないからと沙霧→捨の恋愛感情を強めているのね。わたしには完全に好きな男を助けにいきたいって感じに見えた。で、あの設定がないから沙霧が捨を信用するキッカケがわかりにくくなっちゃってるんだけど、でも捨之介に恋心を抱くってのには説得力があると思う。だってこの捨之介カッコイイ兄ちゃんだもん(笑)。この捨にならひと目ボレしても全く不思議じゃないよ(笑)。
でも捨が何度も沙霧の頭を撫でるんだけど、そこにトキメキは感じないんだよねぇ。これ意図してのことなのかなぁ。本来であれば捨と沙霧の間には大分歳の差があるから男女のソレというよりも人間的に捨に惚れてる感じだと思うのだけど、今回は前述の通りなくなった設定があるので判断に迷うところ。捨の中にも沙霧に大してそういう気持ちが少しでもあるならば、頭ナデナデはもうちょい本気だしてくれるとうれしいです。小栗さんそういうの超得意でしょw。
殺陣ははなから期待してなかったとはいえ、明らかに斬られるのを待ってる相手を斬りに行ってるのがなぁ。小栗さんって身体硬いの?。見せ場の百人斬りは天VS蘭と比べるとスローミーすぎて(笑)。序盤は刀落したり砥石落したりとミスが目立ちまくってたそうで、その点を注意して慎重にやってるのか 斬る→砥ぐ→刀抜く→斬る→砥ぐ ってこの「→」のところで流れが止まっちゃうのが気になった。こんなに滾らない百人斬りって逆にすごいよ(笑)。ていうか勝地兵庫が超可愛い(笑)。捨をやって欲しいとかでなく単純に純粋に太一の百人斬り(勝地助手つきで)見てみたいなーと言ってみるw。
あ!あと天魔王として身代わりにすべく甲冑着せられるんだけど、それはヤバイ!ヤーバイ!!足ながっっっっっっ!!w。
てかこれっていちおう天魔王の鎧を付けさせられてるという態かと存じますが、未來天魔王の鎧を小栗捨が着るのは不可能っぽいよね(笑)。


勝地兵庫はわんこアニキ(笑)。アニキだけど太夫にはわんこ(笑)。うん、鉄板(笑)。そしてやっぱ勝地は新感線の空気に自然体で混じれるなと。
かなりじゅんさんを意識してるというか、じゅんさん準拠の兵庫だもんでどうしてもじゅんさん兵庫がチラついてしまうのですが(じゅんさん兵庫と小池姐さん太夫とか特濃そうだなーとかw)、躍動感溢れるバカ可愛い兵庫でようやく新感線でマトモな勝地を見れてガッツポーズですw。
欲を言えば捨と蘭がいない場面、具体的に言うと捨を助けに髑髏城に乗り込むぜー!って場面でもっと力強さが欲しいなとは思う。ここで4人を率いてくれるだけの『男臭』を見せてほしいなと。
そうそう!わたし荒武者隊の一員として523こと三浦力くん(逆玉・・・・・・←しつこいw)が出るだなんて全然知らなくて事前にお友達が教えてくれなかったらスルーしてたかも!と思ってたんだけど、一人ガタイのいいイケメンがいるからこれは多分わかったわ(笑)。何あの人ちょっとカッコイイっぽいんだけど!→双眼鏡で確認→ゴゴゴゴゴ、ゴウ兄さんじゃん!!!!!てなったと思う(笑)。あとその隣に橋爪遼くんもいて、今回の荒武者隊は俺的豪華キャスティングw。なのでもうちょい個人個人に見せ場を与えてあげてほしいなぁ。


最初に書いた通り、聖子さん贋鉄斎はある意味全部持っていかれました(笑)。じわじわと聖子さん贋鉄斎が昇ってくるとともに舞台の空気がそれに呼応するようにどんどんと新感線のソレになってくのね。登場時と引っ込み時の拍手喝采が全てを物語っておる(笑)。それにここは完全に聖子さんが受け止めてくれるからか捨のチャーミングなところが前面に出てて、安心してみていられる。
そしてサンボくんの三五!!。間違いなくこの舞台で一番“美味しい”のがサンボくんの三五です!!。
そしてそして兄さ(と兵庫)の鎌プレイ最高すぎる!!(一番拍手貰っておったw)。


そんでもって未來ちゃんの天魔王ですよ。なにこのアホ可愛い天魔王(笑)。
未來ちゃんをキャスティングしてるのに歌もダンスも全くないことに驚いたんだけど、2幕冒頭に赤マント天魔王様の敦盛があったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!。しかも鉄扇で戦ってるよ!マントひらひらさせながらくるくる舞いながら敵をバッタバッタ倒してたよ!。しかもベラベラ喋りながら。ものすごい口跡の切れっぷりでワーワー言いながらw。やだもう天魔王ったら素敵///。
と思ったら、次の瞬間なにこのキ●ガイ・・・(笑)。自分はだいすきな殿になりきってるつもりなんだけろうけど、言うことなすこととにかくちっちぇえの(笑)。でも可愛い(笑)。思いついたら即行動というか、衝動命というか、なんか子供みたいなんだよね。影武者設定がなくなり(?)(二役に分けたことで少なくとも天も捨も影武者であったってことはないよね?)、殿(天)に変わってわれこそが天になるってのは具体的プランではなく殿(天)の意思を継ぐというメンタルの話ってかただの願望になってるせいか、愚かさみたいなものが感じられるんだよね。おめーじゃ無理だ(笑)的な。だから光秀を唆したのが実は天だといわれても心情的には説得力にやや欠ける気がする。でも紛れもなくこの人こそが「天」に仕えた「人」であるのよ。そのアンバランスさが狂気に繋がってるというか、理屈じゃない恐怖を感じる。そしてだからこそこうまで狂おしく蘭を求めるのかなーと。
てかそんな天魔王だもんでわたし結構最後の最後まで粟根さん演じる将藍こそが黒幕というか、天魔王は全くそのつもりはなかったもののその実全て将藍に動かされていたのだー!的な残酷展開が待ってるもんだと思ってました^^。だって、だってだって、粟根さん眼鏡ないんだよ!?!?!?。それで中二すぎる天魔王のあれやこれやを説明してくれるんだよ!?。そんな粟根さんのままで最後までいくだなんて思わないじゃないかー!(笑)。
で、そんな天魔王を象徴・・・・・・してるのかなぁ、愚かで惨めで超かっこ悪いあの最期はなんなんだ・・・・・・・・・(笑)。ここ笑うシーンになっちゃってるんだけど、いいの?これ意図してのことなんですか??。デコからダラ〜っと血垂らしてこっち見んなよ天魔王!!(笑)。「そんなのアリかよ〜!」ってこっちが言いたいわ!(笑)。2幕はこのシーン(クライマックス)に向けてものすごい上げっぷりなんだけど、天魔王の最期があまりにも哀れすぎて可哀想だわオモシロイわwでそこまで上げ続けたテンションがプツンと切れちゃうんだよね。天魔王さま死んじゃった・・・(´;ω;`)で胸が張り裂けそうになってしまう(笑)←でも笑うw。なんで、その後の別れ(旅立ち)がなげーよってか、蛇足にすら思えてしまうんだよなぁ・・・。
でもこれだけ三者三様の若くてカッコいい男たちにこうまで慕われた殿ってすごい人なんだろうなーって思った。何度も髑髏見たけどこんな風に感じたのは初めて。


初見感想なのにどんだけ書いてるねん(笑)。
大阪公演はいろいろと大変だったようですが、もうこれ以上何事もなく、素敵な千秋楽が迎えられますように。青山でお待ちしてます!!。