『Mother』第7話

うっかりさんが恐らくそういう過去の持ち主であろうことは早い段階から想像できましたが、まさか戸籍の売買なんてものにまでツテがあるとは・・・!しかもなんという静かな迫力・・・・・・!。うっかりさんのわたしの予想をはるかに超える“使えるっぷり”に動揺が隠せません・・・・・・。
てかうっかりさんの過去が明らかになったあとで見直すと、つぐみとのしりとりがダークすぎる(笑)。「うっかりさん」と言わせたいがために全てに体操をつけて「う攻め」するつぐみもつぐみだけど、「うすのろ」やら「裏街道」やらうっかりさんの語彙怖ええよ(笑)。
DV被害者の“特例”にやたら詳しかったことと、あと裏世界に顔が利く(きっと何か時には頼ればいいとそういう世界への連絡法を教えてもらっていたのだろうから、刑務所内で葉菜さんはそれ相応の扱いをされていたということだろう)ことを合わせて考えるに、葉菜さんが殺した相手というのは夫、つまり奈緒の父親なのだろうなと思うのですが(となると1話だっけ?奈緒の頭にあるハゲ、あれわたしは単なるストレスによる円形脱毛だと思ったんだけど(世の中を超越したような顔してるけど実は苦手な子供相手の仕事で相当ストレス抱えてるという描写の一環で)、父親からの暴力の結果・・・なのかもなぁ)、葉菜さんにしてみれば誰をどんな理由(事情)で殺したにせよ自分が“人を殺して娘を捨てた”という事実に変わりはないわけで、だからそこいらへんを説明することはないのかなぁ。奈緒も母親が“そういう人間”だと聞かされショックを受けてはいたものの、それよりも結局自分も産みの母親と同じ道、犯罪者の道を歩いてることそのものに何かを感じてるみたいだったし。ていうかもし旦那の暴力に堪えかねて殺してしまったってんなら尊属殺人であったとしても多少の情状酌量はあるだろうから15年刑期(13年で出所)ってのは重いと思うんだよね。だからもしかすると旦那の愛人ごとやっちゃったとかさ・・・そういうこともあるかもしれないわけだし、大切なのは奈緒が捨てられたのにはどうしようもない理由があったんだということと、今現在の奈緒がかつて自分を捨てた母親を許せるかどうかってことだと思うので、もうそこいらへんには触れないのが正解なのかなーとか思いました。
そしてついに動き始めた仁美ですが、まずね、見張りすら満足にこなせない果歩の彼氏は今すぐうっかりさんに弟子入りしろ!!と思ったわー。あいつイケメンってだけでほんっとに使えねえw。奈緒姉ちゃんが出て行ったことでギクシャクする娘たちを見て籐子さんが力なく「女だけじゃダメね。形だけでも男がいなきゃ」と呟いてましたが、そら形にすらならない(男と思ってもらってない)っつのなw。ルームミラー越しに鋭い目線が映った時にはオッ?ついに梅のお兄さんも確変クルーーー!?って期待したのに寝てるとか最悪すぎんべ。お前なんざ梅ですら勿体無い!タレご飯で充分だ!(でも鰻が好きではないわたしはむしろタレご飯がいいですw)。
でさ、そんな使えない見張り役を一瞥した駿輔は「やっぱりな・・・」みたいな顔をしてたように見えたんだけど、駿輔って男は目的はなんであれ抜け目のない怖い男だと思うんで、見張りが寝ることも想定内だったんだろうし、仁美を一人残した部屋に奈緒とつぐみの写真を置いておいたのはわざと・・・だよね、きっと。だとすると理由はやっぱり「その方が面白いから」なんだろうなぁ。今に至ってもなお駿輔の真意は明らかになりませんが、それでも間違いなく言えることは、駿輔がした(してる)ことで一番影響を受けるのはつぐみだってことだよね。駿輔の行動からは“つぐみに対する配慮”ってもんがほとんど感じられないんだよな。奈緒にかつての自分を重ねて応援したいといったあの発言にしたって、駿輔が見てるのは奈緒だよね。そこいらへん、このドラマでは徹底して排除されている「男(親)」の象徴なのかなー。
駿輔が、仁美を探すという名目で出かけた木更津で仁美が昔世話になったというおばあちゃんから受けとった写真の中の仁美はいい笑顔で笑ってて、そしておばあちゃんの「あんないいお母さんはいない」という発言を聞いたってのは、さすがに駿輔の存在が便利に使われすぎだろうと思ったけど、これが恐らく今後のポイントになるんだろうなぁ。最初から虐待母だったわけではなくかつてはちゃんと娘への愛情を持っていたと。そんな仁美を変えてしまった「理由」が一つの落としどころになるとか。仁美もまた旦那から暴力を受けていたとかさ、子供が出来たことで諦めた夢があるとかさ、仁美にも同情(なんてできないけどね!)すべき理由があるんだ、的な。
仁美に娘が生存してることを知られてしまった時点で奈緒とつぐみがひっそりと、でも穏やかに幸せに暮らすって未来はなくなったと思うんだよね。仁美がどうでるにせよ。寒空の下ゴミ袋に入れた娘を放置したという事実は仁美の頭からすっぱり忘れさられてるみたいだけど、まーくんとも別れたしもう傷つけるようなことしないから一緒に帰ろう、だから怜南を返してって泣いて縋られたらきっとつぐみは揺れるだろうし、そんなつぐみをそうするのがよかれと思って無理やり引きとめたとしてもきっとそのことはずっとつぐみの心にも奈緒の心にも残ってしまうだろうし、逆に仁美がそれこそ1千万で売ってやる・・・とまではいわずとも「あげるわ」ってな発言をしたとしたら、そのことでつぐみは結局自分が母親を捨てたのではなく「母親に捨てられた」という記憶をずっと抱えて生きていくことになるだろうし。それこそ奈緒のように。となるとやっぱりつぐみは怜南に戻るってことになるのかなーと。それって(視聴者の)心情的には受け入れ難いわけでさ、そのハードルを少しでも低くするために駿輔を木更津に行かせたのかなと思ったんだよね。葉菜さんは娘を捨ててしまったけれど仁美はギリギリ踏みとどまったという対比にもなるだろうし。ほんと納得いかないけどね!。
そう思った最大の理由は葉菜さんが市川さん演じる担当医にカルテ改竄を懇願したことです。恐らく戸籍を買うため、そしてその後奈緒とつぐみが新しい人生を歩むための資金を少しでも作ろうとしてのことでしょうが、“他人”を巻き込んじゃダメでしょう。誘拐の幇助をするのも戸籍を買うのも葉菜さんがやってる分には自己責任の範疇だからやればいいよ。だけど他人に犯罪行為を要求するってのは絶対にやってはならないことだと思う。でも今の葉菜さんはそれすら判断ができないほど『二人を守る』というただその一心で生きている状態だってことも分かる。そうするしかないんだろうなってのは分かると思います。だから葉菜さんのその行いを止めるために、自分の命と引き換えに大金を作る理由はなくなった・・・という展開になるんじゃないかなと思う。その上で奈緒が葉菜さんがしようとしたことを知り自分を捨てた母親の想いを受け止め、葉菜さんの最期の時間を共に過ごしてあげるんじゃないかなーと。以前仁美が改心するルートはなくなったと書いた記憶がありますが、劇的に改心するのではなく、奈緒と葉菜さんのようにもう一度関係を構築しなおそうと、だって母娘なんだから・・・ってな話になりそうな雲行きになってきた気がするなぁ。もう一度言うけど、(今はまだ)そうなったら納得いかないけど!。
ていうかさ、ラストの階段を昇りかけてる仁美の手をグイっと掴んだ奈緒の鬼気迫る表情を見て、あーこの人やっぱ葉菜さんの娘なんだと思った。守ると決めたもののためならば鬼になれる人なんだなーって。