『Mother』第6話

仁美に奈緒の自宅の番号を教えたのは駿輔だと思い込んでたんで、冒頭でいきなりそれが奈緒が勤めてた学校の仕業だと明かされて驚いたわー。今モンペアとかいろいろあるだろうし、若い女の先生が虐待だなんだって騒いでたから学校側だって道木怜南の母親は問題があるとそれなりに把握してただろうに、ああも簡単に“教師の実家”の情報を教えるってアリなん?田舎だからそんなもんだってこと?。そこからあれよあれよという間に鈴原家の皆さんが真相を知り、そこからの籍を抜き鈴原家と奈緒が『他人』となる流れの早さにも驚いた。そこいらのドラマならどちらももっと引っ張れる“ネタ”だと思うのですが、このドラマはそういう脚本上のネタを必要としてないんだよね。役者の演技で充分引っ張れる(引き付けられる)から。毎回終わるたびにこのテンポで進んじゃってこの先どうするんだろう?と思ってしまうのですが、密度の濃さは回が進んでもほとんど薄まらない。すごいドラマだとつくづく思います。
そして、1話からずっと怜南でありつぐみ役の芦田愛菜ちゃんのことを上手いなーとは思っていたものの、奈緒が「つぐみは私の子供ではありません」という言葉に被せて漢字ドリル?をしてるつぐみが目を閉じてそして再び開けるその“まばたき”の瞬間、ゾクッとしてしまいました。目を閉じる瞬間全てを理解し開いた瞬間全てを諦めそして決意したんだってのがまばたき一つで分かったもんね。うわこの子女優だわ!と思った。でさ、このドラマのすごいところってか鬼なところって、奈緒が籐子さんと果歩と芽衣に別れを告げる姿をしっかりとつぐみに見せるところだと思う。普通だったら自分の部屋に行ってなさいって言うと思うのね。子供に見せられないってのもあるだろうし、あとまぁはっきり言っちゃえばこういう状況において子供の存在ってのは邪魔だったりするじゃないですか。しかもつぐみは言い方悪いけどこういうことになってしまった原因なわけだし。でもしっかりとつぐみにこのやりとりを聞かせた。おまけに「ランドセル、貰ってもいいですか?」と聞いたってことは、つぐみはちゃんと今目の前で起きていることがどういうことなのか分かってるってことなんだよね。さすがに籍を抜くということがどういうことなのか、籐子さんの本当の気持ちやなんかは分からないだろうけどでも『自分のせいでお母さんはお祖母ちゃんやお姉ちゃんたちと一緒にはいられなくなったんだ』ってことは理解してるんだと思う。そこに、なんていうか・・・甘えがないなって思った。


前回の居酒屋での母と娘の会話の後だから、今回の籐子さんの選択もなぁ・・・ほんと甘え一切なしだなと。いろんな見方が出来るとは思うんだよね。芽衣が言ったように、自分は会社を経営していて少なくない人々の生活を預かっているわけだし、実の娘二人も人生における重要な時期を迎えていると。だから何がなんでも奈緒を守ることは出来ないと判断するしかなかったのだろうとも思うし、自分たち家族よりもあの子を取るのか?という問いに対し奈緒が「出会ってしまった」と答えたことで、奈緒の“意思”を理解し、それはかつて自分が奈緒に対して抱いた「母親になろう」という想いと一緒だと分かってしまったが故の決断なのだろうなとも思うし・・・。あんな紙切れ一枚で籐子さんと奈緒が母娘になろうとした30年という時間がなくなったりしないだろうと思う一方で、あんな紙切れ一枚で法的には『他人』となってしまうわけで、あー、なんかどう見たらいいのか分かんないや。区役所に養子縁組を解消する書類を貰いに行く時、籐子さんはどんな気持ちだったんだろうなぁ。いざ書類を目の前にしたら奈緒は考え直してくれるんじゃないかと願いながらも、きっと奈緒は署名するだろうって分かってた・・・のかな。奈緒に朱肉を促されてもなかなか出せずにいる籐子さんは生気が抜け落ちちゃったように見えて、これまで強くてカッコいい母親に見えていただけに余計胸が痛みました。籐子さんは奈緒が署名した書類を提出することはないんじゃないかな、と思う。あの書類は奈緒の錘を少しでも軽くしてあげようと思ってのことだったんじゃないかなって思ったんだよね。籐子さんが奈緒を戸籍から抜くことはしない、これからもあなたは鈴原家の娘だと言ったとしても、奈緒はつぐみを連れて鈴原家を出て行くだろうってことは分かってて、じゃあ自分が母親として出来ることは何かと言えば、奈緒の心残りを一つでも減らしてやることしかないと考えたのではないかなと思ったのです。そして奈緒もそれを分かっていたんじゃないかなーと。
そんな籐子さんや妹達の思いを振り切るようにしてまた二人で逃亡生活をすることになった奈緒とつぐみに救いの手を差し伸べたのは・・・入院していたはずのうっかりさんでした。うーーーーん・・・これもなぁ・・・・・こっちもいろんな見方が出来るよなぁ。この先どういう風に進むか全く予想がつかないのでこの段階でこういうことを言うのは性急だということは承知の上で・・・・・・結局育ての母よりも生んでくれた母なのかよ・・・と思ってしまってムムムムム・・・という気分でした。うっかりさんがうっかりさんにあるまじきカッコよさだったから(笑)余計にそう思えた。籐子さんには守らねばならないものがたくさんあるわけで、一方の葉菜さんは何もない上に残された時間も明らかに限りがある。だから一概に比較はできないというか、そんな単純なものではないとは思うんだけどさ、何度か感想の中で書きましたがわたしはやっぱりどんな理由であれ子供を捨てることは許されることではないと思うので、血は水よりも濃い的な結果になりませんようにとは思ってしまうんだよなぁ。そうじゃないと結局それは奈緒とつぐみにも当て嵌まってしまうのかと思ってしまうもん。
でさぁ・・・駿輔ですけども、葉菜さんはわざわざ入院先から電話をかけてますなんてことは言わなかっただろうけど、“公衆電話”って表示されてたわけだから葉菜さんが自宅以外のところから連絡してきたことぐらい分かると思うのね。駿輔は葉菜さんの自宅(店)に名刺を置いてきたのに自宅外からかけてきた、そのことに記者ならば疑問を覚えて当然だと思うんだよね。その上で「面白いことになりそうですよ」なんて煽るようなことを言うって、どういうつもりなのだろうかと思うわー。奈緒たちが泊まるホテルの部屋をノックする葉菜さんの断固たる様子からしてつぐみちゃんの母親が東京に来てるぐらいのことは言ったよね、絶対。つぐみを探す奈緒に仕方ないとか諦めろとかそんなようなことも言ってたし、とか言いながらも車は出してくれるしw、何がしたいのかどうにもこうにも分かんないよなぁ。てか奈緒は駿輔の兄貴の想い人なんだよね?そこいらへんもあわせて駿輔が何を考えてるのかが分かるのはいつなんだろ。