『Mother』第9話

奈緒は旅館の前で警察に見つかり逃げたわけだから旅館とは逆方向を目指し激走したと思うんだけどなぜだか旅館の前で車に乗せられてるし、警察が動いている理由はこれが誘拐事件だからなわけで捜査員がまずすべきことは被害者である子供の安全を確認することだろうに(奈緒を追うのと同時に部屋を訪ねるべきだろう)二人が奈緒を追って旅館から駆け出して来たってことはあの時点で身柄確認はできてなかったってことだろうし、その上誘拐犯と誘拐された子供を接触(会話)させるだなんて警察優しすぎるだろう!(普通だったらここで誘拐犯が逆上して子供を人質にしたりするかもしれないってんでなにがなんでも接触は阻止するんだろうけど、そもそも母親が虐待しているのではという疑いが発端なわけだから、ある程度の温情的なものはあるのかなーと補完したけど)つーかこの速さで三人が伊豆にいるってことを突き止められるだなんて北海道警察のくせにどれだけ優秀なのかと!。いくら「あの子の目の前で逮捕されるかもしれないよ」という駿輔の言葉に奈緒が「覚悟してる。それでも自首するつもりはない」と言い切ったことを受けてのこと、あともっと言っちゃうとかつて葉奈さんが逮捕された時は自分の意思で子供を手放したせいで抱きしめ手を握ることができなかったのに対し、奈緒は最後の瞬間までその手を離そうとしなかったという対比、結局母娘揃って逮捕(奈緒の場合はまだ参考人扱いだろうけど)されてしまったけれどでも同じじゃないんだってのを見せるための演出なのでしょうが、ちょっと粗いかなーとは思いました。
でも、それでも感情は揺さぶられました。演出ではなく三人の女優の演技そのものに揺さぶられた。とってつけたような天気雨が気にならないぐらい“あの奈緒が”必死で逃亡しそして捜査員に前後を挟まれもはやこれまでと思ってしまった瞬間の絶叫にはとてつもない絶望があったし、警察に連れて行かれる奈緒をいつまでも「おかあさーん」と叫び求めるつぐみにもまたどうしようもない痛みがあると思った。あと一番ヤバかったのがうっかりさんがあの瞬間ついつい「奈緒」って名前を呼んでしまったことね・・・。うっかりさんを初めて「お母さん」と呼んだ奈緒ね・・・。「少しちっちゃくなったんじゃない?」「あなたが大きくなったのよ」って会話ね・・・。なんでこんなタイミングで親子だと認めあっちゃってんのよ。二人がようやく親子の会話を出来たのがなぜこのタイミングなんだって。こんな状況になってようやく歩み寄れただなんて哀しすぎるじゃないかー><。
あとあと籐子さんの「お母さんずっと後悔してた。何よりもまず最初に言ってあげなきゃいけなかった。よくつぐみちゃん助けてあげたわね。世間の誰がなんと言おうと、お母さん誇りに思ってる。娘として誇りに思ってる」にもブワッてなった。芽衣の変わりっぷりはいくらなんでも母性目覚めすぎだろうと思わなくもないんだけどw、障害があるかもしれない芽衣の子をつぐみちゃんに面倒見てもらうことを「楽しみに待ってるから」「うん。・・・私も」ってのは良かったなー。なんか・・・そういう映像がパーって浮かんできて、そういう時間が来たらいいなって、この人たちにそういう時間を持たせてあげたいなって本気で思った。
ていうか梅のお兄さんの扱いが分かりすぎてるんだけどw、始終緊迫感が漲る1時間の中でほんとーーーーにホッとできる瞬間でした。芽衣が婚約者(今週3作品目の音尾)にあんなことを言ったのは子供のこともあるだろうけど、この先万が一奈緒のことで何かあったときに迷惑も心配もかけたくないからと思ったからだと思うんだけど、果歩はそこいらへん彼氏に対してどう思ってんだろうね。芽衣姉の子供のことや奈緒姉がつぐみちゃんを連れて出て行ったことぐらいは知ってるだろうけど、詳しい事情は聞かされてなさそうだよね。もし聞いてたら仁美の見張りもうちょいちゃんとやったと思うし(そうだと思いたいw)。


怜南の気持ちなんて一切構わずただ「あの女が嫌いだから」という理由で告訴する仁美には怒りしか感じないし、偉そうに「説得します」とか言いながら(「いいか、少なくとも明日一杯逃げ続けろ」はヒイイイヤアアアアアア!と悲鳴が漏れてしまったほどカッコよかったけど><)結局なんにも出来なかった(っぽい)駿輔の使えなさっぷりは脱力なんだけど、とりあえずは奈緒(とうっかりさん)がお金を振り込む前で良かったと思う。言い方悪いけど奈緒とうっかりさんが犯した罪が誘拐とその幇助だけでよかった。奈緒がどこまで自供するのか分からないけど今ならまだ『虐待された子供を見兼ねて衝動的に連れて逃げてしまった』で通用するもんね。予告でつぐみはどうやら児童保護施設にいるようで、その理由は虐待の事実が認められたからなのかそうでないのかも分からないけど、駿輔は電話で「虐待の事実がどう捉えられるかのよるけど、最悪は家に戻され最善でも児童施設行き」と言ってたわけで、とりあえずは“最善”の選択がなされた・・・ってことなのかなぁ。でも確実に言えることは施設にいるつぐみの笑顔は作り物だってことだよね・・・。駿輔が籐子さんにはっきりと「捕まったらそこで終わり。もう二度とあの二人が一緒に暮らすことは出来ないでしょう」と言い切ったってことは、そういう展開にはならない・・・ってことなのかな。つぐみが再び本当の笑顔で笑えるようになるためには奈緒の存在が必要不可欠なんだってことはわかりきってるのにね。
そして出来ることならそこにうっかりさんもいて欲しい。わたしは基本ドラマの中に奇跡を求めてはいないのだけど、このドラマに関しては三人が一緒に床屋さんをやれる日がくるならばどんなミラクルが起きても構わないと思う。