近森優子に詰め寄るマスコミに対しビシっと一喝した須佐見教授はカッコよかったし最後を締めるという形でしっかりと存在価値を示してくれたけど、わたしが篤郎に求めているのはそういうことじゃないってか、こういう役ならば別に篤郎である必要はなかったよなーと思わずにはいられませんでした。篤郎だからこそギリギリまで須佐見が黒なのではないか?という疑念というか期待が持続したってところはあるし、篤郎だからこそここまで二転三転した物語の結末としては尻つぼみに感じてしまうところをキッチリ締めることが出来たってのはあるけどさ。
ていうかアラタの病状は一刻を争うって話だったのに、これからじっくり治療法探していきますってなんだそれ。アラタが両親に「ノゾミに助けてくれるかどうか聞かなきゃ」と言うってのは、そう言われて自分達がずっとアラタを救うためのアイテムとしてしかノゾミを見ていなかったことに気づく展開としてとてもよかったと思うし(速水に諭されるのではなく)、アラタには元気になってノゾミのお兄ちゃんとしていろいろ知ってしまうであろう妹を守ってやってほしいと思うから回復したのはいいことなんだけさ、『子供の命』の扱いかたがちょっと雑だよなーという気はする。
同時期に産婦人科医のドラマを観てることもあってか、警察は勿論のこと病院関係者からも、両親からも、赤ちゃんに対する愛情が感じられなかったよなーと。あちらがあれほど慈愛に満ち充ちているのに対し、こっちは「ノゾミ」って呼び捨てですからね・・・と、あんながらんとしたお寺の本堂に寝かされているという最後の最後まで不憫な扱いのノゾミを見ながらそう思わずにはいられなかった。描いているものが違うからってことはわかってるけど。
と言いつつ、岸田夫妻→峠息子→皆本→山原と、ノゾミ誘拐犯が目まぐるしく変わる展開は面白かった。それぞれ「動機」が違うから見応えあったし。そのせいで速水以外の警察がそれに振り回されてるだけの存在に成り下がってしまったけど、警察側にもドラマを求めるのは贅沢ってなもんですよね。
中でも峠息子と皆本のターンは役者的にも物語的にも見応えありまくりでした。ファンの贔屓目差し引いても柿澤勇人くんと細田善彦くんはその持ち味を充分に発揮できたと思うの!。
なのでわたしは満足です。細田くんは来年の大河、カッキーは朝ドラに使ってもらえたりしないかなーって期待しちゃうもんねー!。