『侍戦隊 シンケンジャー』第九幕「虎反抗期」

殿は、あのお方はわたしを一体どこまで連れて行くつもりなのでしょうか。もう毎回毎回“もう無理ですっ・・・殿が素敵すぎてもうこれ以上は無理ですっ・・・ときめきキャパオーバーですっ・・・堪忍してください殿っ!”と思ってるんだけど、毎回毎回軽々と前回を越える素敵っぷりを、そして萌えを与えて下さる殿は最終的にどこまでいってしまうのでしょうか・・・辛いわ・・・殿が素敵すぎてほんとうに辛いわ・・・。


殿と互角かそれ以上のレベルで稽古をする流ノ介。でもやはり殿には敵わず
「参りました。お見事」
そう言って膝をつき参ったポーズをする流ノ介の頭を剣でヘルメット越しにペシッと叩く殿(ちゃんと峰打ちだったw)。
「イテッ」
「お前、いちいち参るなって言ってるだろ」
もう↑アバンのこれだけで本日の萌えメーターいっぱいですからね。ペチっと叩くお茶目な殿もイテッって言っちゃう流ノ介もキャワなんだけど、「いちいち参るなって言ってるだろ」ってなんかめちゃめちゃカッコよくない?「いちいち参ったって言うな」じゃないのよ?「言ってるだろ」なのよ?少なくとも数回はこの会話があったということになるわけで・・・・・その場面を妄想するだけで2日はイケる。でさ、実際のところ本当に敵わないのだとしたら「参った」と言うのって武士とか侍にとっては当然のことだと思うのね。だから殿に敵わない流ノ介が「参りました」って言うのは別にアリだと思う。でも殿は「言うな」と言う。表向きの理由・・・というか、まぁいちいち参りましたって降参する流ノ介めんどくせーってのがまずありきなんだとは思うんだけどw、もう1つの理由としてこの後の爺と千明たちの会話があるんだと思ったのです。
お手本のような流ノ介の剣と比べ
「殿の強さは戦いで培われたもの。実戦となれば」
「話は別・・・か」
と。この会話を聞いて殿はこれまでたった一人でどれだけ多くの戦いをこなしてきたのだろうかと改めて思ったし、殿としては流ノ介の中にあるであろう「殿には敵わない」という思い込みや、もしかしたら遠慮のようなものをもどかしく思う気持ちもあるのかなーと思った。純粋な剣術レベルは自分より上かもしれない流ノ介がシンケンジャーとなり実戦経験を積むことでの進化を誰よりも望んでいるのは殿であって、それほどの実力があるってのに千明のように悔しさや自分を越えたいと願う気合のようなものが見えるでもなく毎度毎度「参った」と潔く言う流ノ介を歯がゆく思ってるが故の「いちいち参るなって言ってるだろ」なのかなと思った。
でもそれを出さない(見せない)のが殿なのよね。


このシーンを経ての殿対流ノ介のガチバトルであり、それを、剣術そのものだけを見れば殿よりも上かもしれない流ノ介を「俺が倒す」と宣言した殿の戦いをただ見守るしかできない三人がいる。そんな殿に向かって千明は
「何考えてんだよ丈瑠のやつ!いつまでも殿様の顔崩さないからこういう時100パー信じられねーじゃねーか!!」
と叫ぶ。
・・・・・・・・・萌える!!!!!「いつまでも」が萌える!!!!!!!!!!
「いつも」じゃないんだよ「いつまでも」なんだよ。丈瑠の素顔が殿様の顔じゃないって本能なのかなんなのか分かんないけど千明には分かってんのよ。でもそれを無理やり引っ張りだそうとしてるのではなく、きっと殿ではなく丈瑠として素顔を見せてくれるようになるのを待ってるんだってのがこの一言に現われてんのよ。殿×千明押しのわたしとしてはまさに失禁モノの一言だったんだけど、でも千明はやっぱりまだ未成年だし人生経験は少ないわけよ。だから殿の力は信じてるんだけどでも言葉や態度で表してほしいわけよ!流ノ介は俺が倒すじゃなくて「俺が助ける」って言ってくれなきゃわかんねーよっ!なわけよ!!クウーーーーーッ堪らん><


殿と流ノ介の戦いは爺が言った通り操られていてもなお教科書通りの美しい剣で戦う流ノ介に対して実戦の鬼である殿の剣の方が勝り、わずかな隙を突いて
「流ノ介、耐えろ!」
と殿が撃ち込んだ渾身のモヂカラによって流ノ介を操っていたものを追い返し、流ノ介が正気を取り戻したことで決着。
『反』のモヂカラを書き込んだディスクを用意してたことからして、殿は流ノ介を取り戻すためにはこの方法しかないって覚悟した上で戦いの場に出向いたということよね。家臣想いの殿だけに、それしか方法がないとは言えどそこへ至るまでにきっとすごく悩んだんだと思うし、きっと怖かったんじゃないかな・・・と思う。だから流ノ介が戻ってきた瞬間はホッとしただろうしすごく嬉しかっただろう。でも殿はそんな素振りを一切見せず、正気に返った流ノ介に特別な言葉をかけるでもなく、即次の指示を出し自分もまた虎折神を取り返すべく行動に移る。なんという指揮官っぷり。そして一瞬流しそうになったけど、4人も初めて4人だけでなんの躊躇いもなく協力しあって一の目をあっさり撃破してみせた。成長してるんだよね・・・この子ら。


そしてそして、前回予告で殿とガチで戦う流ノ介の図を見た瞬間から流ノ介が「この上は腹を斬ってお詫びするしかありませぬっ」って泣き喚いて大騒ぎする以外のオチは考えてなかったってのに、まさかこんな展開が待っているとは。人間感情がMAXを越えると無表情になるもんですが、泣き喚くどころか真顔で「捨てていってくれ」だの「罵ってくれ」だの言いながら帰り道を三人に引きずられる流ノ介。つーかさりげなくまた茉子さんが流ノ介に魔性発動してんすけど!!ガシっと腕絡ませてそれ乳あたってるし絶対!!そんでナデナデとか!!怖ッ!!!このダメンズ担怖ッ!!!!!。
自分を庇ったせいでこんなことになったってのに「もうウザイから置いてこうぜ」とか言う千明には本気でハァ!?お前なに言ってんの!?!?って一瞬マジでムカっとなったんだけど、恐らくこのシーンまでに軽く30分は引きずられグズグズ言ってたんだろうからwそれもまぁ仕方ない・・・・・・かな。
千明にそう突き放され力なく崩れ落ちながら
「もしかしたら私は・・・殿の命を奪っていたかもしれないのか。なんてことを・・・なんてことをっ・・・・・・」
そう呟く流ノ介に殿は「はぁ〜っ」っと息を一つ吐いてくるっと振り向き
「流ノ介、あれだけのモヂカラを撃ち込んだら、お前は死ぬかもしれなかったんだ。俺はお前の命を勝手に賭けた。
・・・・・・・・・ごめん。
これでこの話は終わりだ。もう二度とするな。いいな。」

ひ、ひ、ひ、ひ、ひやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ殿がごめんて!ごめんて謝ったああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
何これ何これ何コレなんなのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?!?!?わたしビックリしすぎて本気で悲鳴を上げました。これリアルタイム放送を大阪のホテルで見てて丁度その時部屋の外を何人かの人が歩いてるところでワイワイガヤガヤしてたんだけど、わたしが「ひいいいやあああああああああああああああああああああああ殿おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」って悲鳴上げた瞬間そのざわめきがピタッと止まったぐらいすごい悲鳴を上げてしまいましたw。フロントに連絡されなくて良かったw。
もうさー「すまん」とか「許せ」とかじゃなくて「ごめん」なのがやっべーよな。これお友達は「御免」なんじゃね?って言うんだけど、わたしはひらがなの「ごめん」だったと思うのよ。爺の腕に抱えられながら「正直ビビった」って言った時のように、殿のお面の下にある素顔が出ちゃう時っていわゆる普通の若者言葉になるんだと思うの。で、この時の殿の「ごめん」は明らかに素、だったと思う。だからこそごめんと言った直後に顔を見られないよう振り向き返し、いつもよりも強くそして感情をこめない口調で「この話は終わりだ。いいな」って流ノ介に、そして他の三人にも言い聞かせたんだと思う。“現代の”侍たちにしてみればそんなのナンセンスってかいつの時代の話だよ?って感じなのかもしれないけど、侍たるもの仕えると決めた殿のために命を投げ出すのは当然のことで、殿に刃を向けるなんてそれこそ切腹モノだろう。だからこそ流ノ介の苦しみやら自責の念やら・・・あの時の流ノ介の気持ちを表現する言葉が見つからないんだけど、そんな流ノ介の気持ちを救うのに、上辺だけの言葉、“殿としての”言葉ではダメだと思ったのだと思う。流ノ介に致死量のモジカラを撃ち込んだことに対しては殿としては熟考の末のことだろうし、そうするしかなかったから後悔・・・はしてなかったと思うのね。そして稽古で何度も剣を合わせその力を誰よりも分かっているからこそ流ノ介ならばきっと耐えられると信じての行動だったと思う。でも、それでも流ノ介の命(精神力であり強さ)に望みを賭けたのは事実であって、もしも、万が一にも殿が思っているほど流ノ介が強くなかったならば、その時は殿が言うように流ノ介は死んでいたんだろう。シンケンジャーとして戦うと決めた以上は命を落とすかもしれないことはもはや承知の上だけど、あの時の流ノ介は操られていた状態であって命を賭けて戦っているという自覚はなかったわけで、つまりそれこそ“勝手に”流ノ介の生命力に賭けたってことになるわけよね。身分の違いなんてないところで、そのことだけは殿は悪かったと思ってるんだろうなって。自分にもっと殿として家臣たちの命を守る力があったならば流ノ介をこんな局面に追い込むこともなかったという意味もこめての「ごめん」だったのだと思う。そして、“お前は俺に剣を向けたが俺もお前の命を奪うかもしれないところだった。だからお互い様だ”ってある意味対等での言葉だったのだと思う。だからこそ“あの”流ノ介が「殿・・・・・・勿体無いお言葉。・・・殿・・・殿おおおおおおおおおおおおおおお!」って叫びつつw立ち上がることが出来たのだと思う。終わりよければそれでよしと簡単に片付けず(ボウケンのチーフだったら絶対そうしてたw)、謝罪の言葉を述べた上にこのことはもう忘れろではなくこの話は終わりだと言って聞かせたそのお手並みはまさに『殿』と言うべきしかない収拾の仕方でございました。このことを忘れないことで流ノ介はきっとグッと成長するだろうし、殿もまた成長するんだよね。素敵な関係だよな。


一方の外道衆サイドはついに腑破十臓の人間態がお目見え。殿に手を出すことをドウコクさんに一言断わり入れにくるあたり、十臓さんもまた侍だな・・・と思ったわけですが、いろいろと新ネタというか伏線が投下されました。整理すると
1.外道衆というか、少なくともドウコクさんにはシンケンレッド=志葉家当主に仕掛けるべき“何か”があるはず
2.それをドウコクさんが「気付いてなかったとは驚きだ」
3.ドウコクさんをバラバラにして封印したのは先代志葉家当主
4. 「なぁ裏正。肌が粟立つほどの戦いなくして生きて三途の川に入った甲斐はない」というわけで十臓さんは元人間
こんなもん?。1.2.3は共通というか、先代レッドにバラバラにされたことでドウコクさんの身に何かがあって、その鍵を握るのが現レッドである・・・ってことかなぁ。これが以前に出た殿が「大嘘つき」だってのと関係してるって見方もできるとは思うんだけど、わたしはこの十臓さんが言うシンケンレッドとドウコクさんの間にある何かとは別の話だと思う。こっちは殿というか丈瑠自身の話ではなくシンケンレッドという存在そのものの話であって、嘘つきってのは殿そのものに関わる話だと思うのよね。嘘つきが何を意味するか?ということに対するよく聞く予想として殿は実は影武者とか次男であるとか、つまり志葉家の正当な後継者ではない・・・ってのがあるんだけど、もしそれが今回明らかになったことと結びついてるのだとしたらちょっとおかしいよな?ていうかむしろ殿が正当な後継者だからこそドウコクさんがこだわるべき何かがあるんだと考えるべきだと思う。十臓さんはまさか殿が影武者だなんて思いもしないだろうから当たり前に殿=シンケンレッド=志葉家当主だと思ってる上での発言ってこともありえるけど、これでもし殿が影武者だとしたらドウコクさんとの間に因果関係は何もないってことになるじゃん?さすがにそれは物語としてないと思うのよね。流ノ介たちがこれだけ「殿」って慕ってくれるようになった今、本当は殿ではないんだとしたらいくらポーカーフェイスでクールな殿の仮面を被ってたとしても丈瑠の中にそのことに対する苦悩が見えてこなくちゃおかしいと思うし。となると、殿=志葉家とドウコクさん=外道衆の間に単純な敵対関係以外にもなんらかの因縁があるってことかなぁと。それか、シンケンレッドには志葉家当主しかなれない(んだよね?)という理由に関係してるとか。シンケンレッドをどうにかすることでシンケンジャーは戦えなくなると、だから当然外道衆はシンケンレッドをどうにかすべく何らかの策を練ってるだろうけど、俺は俺でシンケンレッドと剣を交えたいと思ってるから時には邪魔しちゃうかもしれないけどそん時はごめんね★って言いに来たのにドウコクさんが全く分かってなくて十臓さんポカーンって話だったりしてw。
そしてそこいらへんの内情に通じてるっぽい十臓さんも元人間発言が出たことだし、やはりシンケンジャー=志葉家となんらかの関係がある・・・ってことだろうなぁ。今のところ十臓さんは単純に強い奴と戦いたいというチャンバラ馬鹿ってだけのような気がするんだけどw、人間としてはその欲を満たすことができないからわざわざ三途の川に入ってアヤカシ化したのだとしたら、人間としてはシンケンレッドと戦えない理由があるということか。元はシンケンジャーになる資格を持っている人だったのに(もしかしたら先代殿ツダカンの元で戦っていた元シンケンジャーとか!)裏正を手にしたことでその妖力に取り付かれ、闇へと堕ちてしまった・・・とか!シンケンレッド以外も世襲制だとしたら十臓さんは誰かの親族ということになるわけだけど(だとしたら茉子さん希望)、わたしの希望としては爺と関係していてくれたら全力でモエられそうな気がします!えっと、爺の息子とか!!!!!。まぁ少なくとも殿と流ノ介の戦いをあれほど冷静に、そして親切に(笑)解説できる十臓さんもまた実戦経験豊富な剣士だってことは確かですね。
そしてこれが一番大きな伏線だと思うんだけど、もし十臓さんのあの人間態が普通の人間とは違うけど死んでるわけでもないのだとしたら(それがどういう状態なのか分かんないけど)、本来なら生きた人間が入ることはできない三途の川に入る方法があるってことよね。外道衆が三途の川を溢れさせて人間界に乗り込んでくるのではなく、シンケンジャーが外道衆のあの船に乗り込むってこともありえるということですよね。うおー燃えてきたぞ!。


十臓さん初顔だし回当日に丁度中の人のお芝居を生で見てきたんだけど、やっぱ棒ってことはないわ、この人。だから十臓さんのあの抑揚のない台詞回しはあえてそうしてるのよ、絶対!。それにしても渋い!そしてカッコイイ!!!555時代から色気ある人だなーとは思ってましたが、いい歳のとり方してるよなと。
余談ですが、偶然十臓さんをお見かけしまして思わず興奮のあまり「シンケンジャー今日から顔出しですよね!」とギャーギャー捲くし立てるわたしたちにニッコリ笑って「これからよろしくお願いします」って言いながらペコリって丁寧なお辞儀をしてくれました。ちょういい人!!!殿たち若者と仲良くやれるか若干心配だけどw。