『最遊記歌劇伝―Dead or Alive―』@サンシャイン劇場

東京公演のまとめ感想です。思いっきり内容に触れてます。今回もDVD発売が決定しているのでネタバレにご注意ください。↓↓↓


六道エピが軸ではあったものの三蔵一行の過去(この四人がともに旅するようになる序章)と紅孩児と独角との関係性も同時に描こうとして時間軸が飛び飛びになってしまって結局散漫な印象しか残らなかった前回とは異なり、1幕はほぼ蓮麗エピ、2幕が清一色エピと構成がすっきりしてとても見やすくなりました。まぁちょこちょこ織り込まれる紅孩児サイドの描写がこの先に対しては必要だけどDead or Aliveという舞台に置いては不要だった・・・ってのはあるし、瀕死の紅をニィが改造したところで終わるからどうしてもぶつ切れ感が残るわけで、原作通りではあるし次があるのだとしても、1つの舞台としてオチをつけなきゃダメだとは思ったけど。


わたしの前作感想はコチラ→(http://d.hatena.ne.jp/minko/20080924#p4)なのですが、まとめると
・時間軸の移動が多すぎ
・それにともなう舞台の暗転が多すぎ、時間もかかりすぎ
・セットがでかすぎて舞台スペースが狭い(動くスペースが少ない)
・アクションが少ない
・三蔵一行の歌が酷い(笑)
・曲が全て同じような曲調
・アンサンブルが少ない
こんな感じでした。
で、今回ここいらへんが100%とは言わずともかなり改良されてたし、努力の跡がしっかり見えたのがもう嬉しすぎる。時間軸は前述の通りすっきりしてたし、セットは両面が7・8段の階段になってる可動式のセット2台とやりすぎだろう(笑)ってぐらい簡易化されて、それをいろんな角度に動かすのと前回も使った格子状の板を上げ下げすることで暗転によるぶつ切れ感は前回よりはるかにマシになってました。まぁ相変わらず場面転換は多く、可動式とは言えセット自体の重量はかなりありそうだから(初回は一番最初のセットチェンジで片方がなかなか動かず手間取っててハラハラしたわ)どうしてもそれなりの時間はかかってしまうし、ほんのワンシーンのために移動することもあってセットチェンジの合間に芝居してるような感じすらする時もあったぐらいなんだけど、場面転換の多さってのは原作がそうであるから仕方ないんだろうなぁ。
セットを簡易化したことで当然動けるスペースが増えたわけで、アクションは段違いに良くなってます。悟空と悟浄の長モノも思う存分振りまわせてるし、階段の上で戦っている人がいれば舞台奥で戦ってる人もいたりして、迫力だったりスケール感だったりってのは前回と比較にならないぐらいほんっとに増したと思う。アンサンブルの数は前回と変わってないんだけど(6人)、一人ひとりの動きが大きくなったし早くなったおかげで人数の少なさも特別感じなかったし、質はまぁ別としてwアクションの演出面はかなり良くなったと思う。でもオタの欲ってのは際限がなくてさ、4人があっちこっちで一斉に戦ってると一つの目だけじゃ追いきれないわけですよw。だから一人ひとり見せ場を作るというか、一人ずつスポット当てるとかしてくれたらよかったかなと。
あと良かったといえば1幕の砂漠の演出がとても良かったです。砂色の布をステージいっぱいに広げ、三蔵一行が階段から落ちつつその布を手繰りよせることでちゃんと砂に飲まれる蟻地獄みたいに見えた。これ上手いこと考えたよなー。
で、前回最大のがっかりポイントだった歌ですが・・・・・・・・・・・・・・・三蔵一行に歌わせないというまさかまさかの秘策に出やがったwwwww。いやーこれまじ驚いたわ。三蔵一行が歌うのは『GO WEST』のDead or Alive Verと言えばいいのかなぁ?前回とはちょっとアレンジやら歌詞やら異なってるんだけど、それをフルコーラスどころかワンフレーズに毛の生えたようなもんぐらいしか歌わないのねw。正直ね・・・・・・正直正解だとは思うのよ。前回アレだけ歌でズコーーーーッとなったことを思えばこれは演出としてアリ・・・・・・・・・だとは思う。思うんだけどさ、やっぱ物足りないって気持ちにはなるよね。前回と言ってること違うじゃん!ってのは分かってるんだけど、下手なんだけど、世界観壊しかねないほど酷いんだけど、それでも三蔵一行の歌をもうちょい聞きたかったなーってのが事実。で、今回「歌劇伝」の「歌劇」を一心に担ってるのが紅孩児と菩薩様なのね。二人とも悪くはないのよ。特に紅孩児役の小野田くんはおそらく前作で唯一『絶賛』されたキャストなんじゃないかと思うの。その反響を受けてのこの扱いなんだろうし、今回のメインである清一色エピに関しては紅サイド全くの無関係だからこういう形を取ったのだろう。でも三蔵一行より目立たせる演出にするのはいかんだろ。プリンスの歌が多いのは構わない。それは納得するw。でも紅の叫びで舞台が終了するってのは違うと思うのよね・・・。OPもEDも高らかに歌い上げるプリンスのソロなのはどうかと・・・・・・。なんか紅に始まり紅で終わったって感じすらしたんだけど。ラストの菩薩様→紅の歌2連発とか飽きるし・・・。前回は最初と最後に敵味方全員一緒に『GO WEST』と『BE THERE』を歌うという演出で、最初はともかく最後に死んだ人まで出てきて歌うってのはどういう意図なんだろう?ってちょっと悩んだのですが、アニメのファンという人の感想で『アニメで言うOPとEDなんだと思う』という見解を見かけてなるほどねー!と至極納得したんですよ。で、そう思ったらなかなか面白い演出だなと、最遊記歌劇伝という作品のトータルイメージを共有させるためにこれはずっとやっていけばいいんじゃないかなと思ったわけです。だからせめて最初と最後だけは三蔵一行を中心としてフルコーラス歌って欲しかったなと。もちろんこれまたアンケに書いたんですけどねw。
劇場が変わったせいか演出家が変わったせいか客の要望に応えた結果か分かりませんがw、今回は客席登場が多々あって、これはすごく嬉しいしいいことだと思う。やっぱオタ舞台は通路使ってナンボですよw。悟浄というキャラを作るに必要不可欠な要素の一つが『女好き』なんだけど、客席を通りつつ客にちょっかい出したり最前列席の手すり(席と席の間の手を置くとこ)に腰掛けて流し目送ってみたりとか、舞台上に『女性』が登場しない分こういうところで女好きなところを見せるのはいい演出だと思う。あと2幕最初のアンサンブルさんによる餌ばら撒きタイムもメインキャスト以外のお目当てを探すいい機会だしねw(わたしは大久保くんがお気に入りです^^)。


各キャストについての感想は大阪もいくので(・・・・・・・・・)全公演終えてからもう一度書こうと思ってるのですが(・・・・・・)、メインキャストは2回目だけあってみんなそれぞれしっかり役を掴んできたなという印象です。特に悟空と悟浄のやり取りは内容のくだらなさといいお前ら小学生か!という空気感といいw原作そのものと言っていいぐらいに出来上がってると思う。つーかほんと可愛すぎんだよな、この二人w。あと今回は紅に引っ張られてか独角がすごくよくなったと思ったわ!。表の主役が八戒だとしたら裏の主役は独角だと言ってもいいぐらい今回の独角はおいしい役どころだと思うのですが、まずは砂漠で弟である悟浄と直接対決ですよ。しかもこれ二人でデュエットしちゃうんだぜw。オットコマエ兄弟きたああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!ってものっそいテンソンあがるっつの!。出来はまぁ二人とも頑張れ(にっこり)ってな感じなんだけどw、三蔵を助けるため自ら金鈷を外して斉天大聖になった悟空にボロボロにされた紅を肩に担ぎあげるのが毎回毎回ハァーーーーーンすぎてモッコリですよ!。プリンスって小さいけどあれだけ踊れるってことはかなり筋肉質だと思うのよね、腹筋とかマジすごいし。だからそれなりに重いと思うんだけど、原作通りに片方の肩に担いでセリフを言う上野くんがリアル独角!毎回頑張ってたと思うわー(フラフラハァハァしてんだけど独角もズタボロだからアリだしねw)。だからその後の紅を命を救うためとはいえニィに預けたことが果たしてよかったのかどうかと苦悩する様がすごくいい悲痛っぷりに見える。悩むオトコマエはほんっとーーーーーにご馳走ですね!w。
表の主役・八戒はやっぱ最高。載寧八戒まじ最高。特に清一色の回想の中の人間として百眼魔王の城で妖怪どもを惨殺しまくる悟能時代の載寧まじまじ最高。清一色じゃないけどほんとに「すごい目してますね」って感じなの。狂ってるんだけど、その中にどうしようもない哀しみが思わず泣きそうになるほど詰まってんのね。初めて載寧を認識したのが戦隊ヒーローだったせいかわたしの中の載寧って“陽”のイメージだったんだけど、前回の八戒を見てむしろ“陰”の人なんだなーと思ったんですよ。悲しみや痛みを抱えて生きてる役の方が全然いいなって思ったの。その陰の部分が今回はより一層見えて、まーじたまんないわこれ。それから、載寧がDVDの中で二人芝居が好きだと言ってるだけあって、今回も対三蔵、対悟浄、どっちもすっごいイイです。対三蔵はさそりの毒からなんとか生還した三蔵の枕元で濡れタオル頭に載せてあげながら会話するシーンね(ここ、タオル絞る載寧の手が綺麗で毎回ウットリしてました)。
「ちょっと、イラっとするんですよね。あの時、止めてくれと言われたのは僕なのに、できなかった。そんな自分に腹が立つんです。しかも・・・この事がかえって悟空を苦しめる結果になるから尚更・・・」
って自嘲気味に淡々と言ってるんだけど “八戒なりに”悔しくてたまらないってのがほんとよく分かるの。でね、このシーンで一度タオル浸す水を入れた洗面器をひっくり返しちゃったことがあったんだけど、慌てずにこぼれた水を拭きながら(もちろん水は入ってませんが)セリフをサラッと言ってのけて、それがまたすごい八戒らしくて感動したんだよな。あ、これ八戒だ!ってストーンて入ってきたのね。これほんとよかったわぁ。
対悟浄はもう全てにおいていろいろと臭うんだけどw、だいっ好きな生命線エピの
「・・・参ったなぁ 油性ペンですよコレ」
「油性だな」
「落ちないじゃないですか」
「落ちねェな。・・・・・・・・・いーんでない?」
「そぉですね」
これね。これ中盤までは手の平を一瞬ビックリした顔で見たあとそのことの意味を噛み締めるって感じでしんみりした顔をしてたんですよ。それはそれで八戒の気持ちは十分伝わるしアリだとは思うんだけど、やっぱ原作通りに「そぉですね」って言った後で顔覆って(多分)涙を隠して欲しいよなぁって思ってたのね。そしたら後半で載寧が原作通りに演技を変えてきて!!!!!!!ああああああああああああああああ載寧ラブ!!!!!!!!!!!!!!!!て改めて思いましたw。しかもここ悟浄のセリフの言い方が原作通りってかアニメどおりってかマジで理想のまんまでね、まさに神シーンですよ!!。
てかこの二人実際にもとても仲がいいらしく、二人の間に流れる空気感がほんといいのね。楽での腐女子悶絶の八戒のバックを取る悟浄のシーンとかたまんなかったんだけど、
悟浄「お前、生命線短けぇな・・・」
八戒「あ、ほんとだ。短い」
悟浄「俺なんか手首まで伸びてやがんの」
八戒「繁殖力強そうですもんね」
これが台本どおりのやりとりなのね。それが楽では
悟浄「俺なんかこんなところまで(といいつつ肘から乳首のほうまで線が延びてるジェスチャー)・・・まぁなんでもいいや」
八戒「どこまで伸びてるんですか?教えてくださいっ!(ニヤニヤ)」
悟浄「いやちょっと言えねえ・・・」
八戒「なんでですか!教えてくださいよっ!!(さらにニヤニヤ)」
悟浄「乳首だよ!!!」
とかやってたわw。乳首言わせたいだけだろうとw。
楽のアドリブといえば、前回と違って今回は明確なアドリブシーンってないんだけど、悟空と悟浄の言い合いは全体的にヒートアップかつグダグダでw、
悟浄「俺のどこがゴキブリなのか言ってみろよ!」
悟空「その触覚だよ(即答w)」
悟浄「ウッ・・・・・・うるせーな!2010年にはこれが流行んだよ!!」
とかねw、延々と猿VSゴキブリでしたw。
意識が回復した三蔵に纏わりつく悟空にちょっかい出す悟浄がギャーギャー言いながら部屋から出てったあと(舞台からはけたあと)、八戒がハリセンやら包帯やら小道具を回収しながら
「そして片付けるのは・・・・・・・・いつも僕」
って心底嫌そうなため息つきつつ言ってたわw。
あと、妖怪に別の三蔵が喰われたかもしれないってところで台本では八戒が「きっと、ちゃんとした、真面目な、フツーの『三蔵』だったんですよ」悟空&悟浄「ああ、成程」って言うところをものっそい溜めつつ「きっと・・・・・・ちゃんとした・・・真面目な・・・タバコ吸わない・・・・・・黒髪の、三蔵だったんですよ」って言っててw、すっごい顔して「どういう意味だ!?」とギロリってする三蔵に悟浄が「それは自分で考えてくれ」って返してたw。
あと三蔵一行のラストシーンで八戒は「そういえば、西に向かってるってことは、僕らいつも夕日に向かって走ってるんですね」と恥ずかしいセリフを言うんだけどw、楽では「大阪に向かってるんですね」と上手いこと言ってたわw。さすが載寧出来る子!!。
そうだ思い出した!↑この場面の後三蔵一行が再びGO WESTをワンフレーズ歌うんだけど、最初のフレーズで三蔵が入り遅れた上にものすっごい盛大に音外してる人がいて(多分8の人かと・・・)、これユニゾンなんだけど、あまりのすごさに楽だからって調子乗ってハモろうとして大失敗したのかと思ったわw。なんとか修正してたけどほんと酷かった・・・(笑)。
楽のカテコで悟浄は触覚を三つ編みにしてリボンつけて登場!!!!!!!!!!!!!!!ずるい!!!!!!!!いつものことながらこのひとズルすぎる!!!!!!!!!そんな悟浄の挨拶は「前回と比べたら今回は噛むことが少なくなってちょっとは成長したと思います。大阪でも暴れてきます!!」。
本編がシリアスなだけにカテコで見せる素の笑顔とのギャップがまじでヤバイことになってる八戒は「今日の千秋楽はみんな満足のいく芝居が出来たと思います。大阪でもやってきます!!」だったかな?。なんか最後のやってきますだか暴れてきますだかをものっそい強調して言ってたわ(でもよく覚えてない^^)。
斉天大聖Verで登場した悟空には「たいぞうくーーーーーーーん」とすごい声援がw。それに対して視線を送らずサラっと「はーい」と返事する鯛造くんカコヨスw。「大阪でおいしいものいっぱい食べて東京に帰ってきまーす」とか言ってたんだけど、何これもしかしてさりげなく続編フラグ?(笑)。
鯛造くんコールがあったから気を使ってくれたのかどうか分かりませんが、三蔵が話しだそうとするとニィと菩薩様が「ひろきーーーー!」と熱烈なコールをw。つられて会場中から拡樹コールがw。「皆様のおかげで大阪でも公演できることになりました。大阪でも頑張りますのでよかったら(出来ればだったかもw)ついてきてください」とにっこり笑いながら遠征を促す三蔵様(笑)。
主要キャストだけでなくアンサンブルさんも全員一言ずつ挨拶。アンサンブルさんのブログから判断するにこれそういうシナリオではなかったらしく、三蔵が気を利かせてというかそういう場を作ってあげたみたいでして、三蔵はマジで出来る子なんだと思うわ。そして緊張しながら挨拶するアンサンブルさんたちをニコニコしながら見守る唐橋兄さんや載寧を見て、いいカンパニーなんだろうなぁって改めて思いました。ほんと雰囲気が良くてね、カテコは5回ぐらいあったんだけど、4回目ぐらいに半分ぐらいの人がモタモタしててなかなか出てこなくてw二郎神発信で手拍子して待ったり(ていうか早くしろよーってプレッシャーかけてたように見えたw)、BGMの菩薩様曲に合わせて菩薩様とニィが歌ったりね!!!(着地点を決めずに歌いだしたせいで最後グダグダになり載寧大爆笑w)、最後の最後は舞台上で生円陣したんだけど、普段はちゃんと丸い円になるんだけどそうすると客席にお尻向ける人も出ちゃうからとわざわざ半円でやってくれたりねw、ほんといい感じなんだよね。円陣後もステージ上で「大阪も頑張ろうぜー!」ってメインもアンサンブルも関係なくみんなが拳握って腕ぶつけ合ったり肩叩きあったりしててちょうモエたっつのな!。あ、今さら思い出したけど、カテコで紅と独角ががっしり握手しあっててキャーーーーーーーーーーーーーーーー><だったわ!!


最後の方は支離滅裂な感じになってしまいましたが・・・とりあえずのまとめ感想でした。大阪も頑張ってください!!