『アンメット ある脳外科医の日記』第10話

一日しか記憶を保てない脳外科医が主人公で、主人公が記憶障害となった理由とされている事故にはなにやら事情があるようで、さらにその事情絡みで主人公の記憶障害は意図的に起こされているものらしいと。そのミステリー要素で中盤まで物語を展開し、後半に入ったところでそれ(ミステリー要素)をあっさり捨てて、終盤は最後まで医師であることを選ぶ(から手術はしない)と言う主人公をどうしても助けたい男たちの物語となる全体を通してのこの流れがまず見事なんだけど、その“前編”として描かれた柏木夫婦と成増先生の話、これがまあ素敵だった。

ふと目についたケーキ屋に入り、一つだけ買ったガトーショコラの袋を下げて家に帰るうれしそうな後ろ姿。
三瓶先生の話が成増先生にどう届いたのか、言葉にせず成増先生の表情と姿だけで伝えるこの演出の奥深いこと。

対して柏木夫妻のほうはどんどんと記憶が薄れ眠っている時間が長くなるなか妻が来ると目を覚ますし妻が差し出すスプーンだけは口に入れることを病院スタッフがにこやかに語り、そして出会いのきっかけである「モデルになってくれませんか?」で妻を泣かせるというストレートな描写で、それを演じる加藤雅也赤間麻里子がべらぼうに上手いのなんのって。

両者の話の先に『失われないものも、きっとある』と書くミヤビがいる。

どんな最終回でもそこにはきっと希望があるだろう。

・・・とその前に、四者会談ですよ。
とその前に、ミヤビの気持ちを知りたい星前先生ですよ!!。
必死で練習する三瓶もミヤビちゃんも、星前先生は応援したいんだろうね。
泣きそうになるんだけど、いやもう泣いてるんだけど、それでもグッと堪えて両手でサッと涙をぬぐって「あっ、でもこれは書いといてよ。星前先生が心配してくれてたって」といつものように軽妙に笑って言う星前先生素敵すぎるんだけど!!!。

からの四者会談(教授の部屋からあれだけあった緑が消えてて寂しい・・・)。
まず大迫教授がコソ練してることをバラす綾野先生最高でしょ。
「あきらめたくないのは僕も一緒だよ。ただどうしても10分かかってしまう」と言う大迫教授に「僕は8分45秒です」とイキる三瓶先生最高でしょ。
そして川内先生が事故に遭ったすぐあとから練習してたという大迫教授を「やっぱりあなたは医者でしたね」と言う三瓶先生に

「やっぱり君は・・・生意気だ」


井浦新の最高得点更新の瞬間です。
顔といい手といい言い方といい1000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000点!!!!!。


でもやっぱり抹茶パウダー回避するために川内先生にコーヒー買ってくれと頼んだのに川内先生が「覚えてました」って抹茶パウダー入れてくれちゃったもんで抹茶パウダー入りコーヒーを好きなのか好きじゃないのかゴニョゴニョするしかない三瓶先生がキモ可愛くて優勝です。


というわけで、ここまでこれだけしっかりと紡いできたこの物語がどんな最終回になるのか、全幅の信頼でもって楽しみにしてます!!。