『アンメット ある脳外科医の日記』第6話

大迫教授にはまだ隠していることがあるだろうけど、そしてそもそもミヤビが大迫教授の患者となった理由・経緯も事故であること以外不透明ではあるけど、ミヤビの現状については今回三瓶先生と綾野先生が突き止めた「抗てんかん薬の投与量」が理由ということで、前回まではどうやって記憶障害をコントロールするのだろうかと、そんなことができるのだろうかと思ってたけどいざ理由が明らかになると「なるほど」となるな。まあ正直もっとトンデモな理由を期待してはいましたが。

で、この時大迫教授に対して声を荒げない三瓶先生と綾野先生だよね。
カルテなのかな?手に持っていた紙を床にバシンと投げつけ、普通だったら、というかドラマだったら胸倉掴んで大声で詰問しそうなものだけど、静かに激怒する。綾野先生もまた静かに困惑する。
この静かさが怒りの強さをより感じさせるし、怒りに駆られながらも冷静さを失わない、冷静に「事実」を聞き出そうとするところは医者だなと思わされるし、このシーンを見れば三瓶役に若葉竜也・綾野役に岡山天音を配したことは正解だったと言わざるを得ない。初回から大正解だと思ってるけども。


自ら薬を飲むことをやめたミヤビがてんかん発作のなかで口にした「こうするとかげがきえます」という言葉。
それは
「光を当てると影ができます。人間は暗いところに光をあてていいことをしたと思っている。新しくできた影には気づかずに。アンメット。直訳すると「満たされない」。できた影に光を当ててもまた新しい影ができて満たされない人が生まれてしまう。どうしたら隈なく照らしてアンメットをなくせるのか、その答えを探しています」
という三瓶に対するミヤビの答えであった。

ここでミヤビがなにをどうしたのか、「こうすると」を見せずに三瓶に寄り添い凭れるミヤビの後ろ姿だけを見せるという演出にどんな意図があるのだろうか。
以前三瓶先生は「記憶を失っても強い感情は忘れません」と言ったけど、てんかんをおこしたミヤビが正気でない状態で「こうするとかげがきえます」と言ったこと。そこに希望を見てもいいのかな。
・・・その言葉とともに言った「財布がない」と「私が残る」のほうが重要である気はするけども。

今回の患者はミヤビが「抗てんかん薬」を服用していることを三瓶先生が知る(ってこれまで薬を飲んでるか確認してなかったんかい・・・)キッカケとしての話だったとはいえ、劇中でセリフとして「普通はこんなことをしない」と院長に言わせつつ主治医が患者の勤務先に出向いて説得するという展開にはちょっとガッカリしてしまったものの、お目付け役として同行したのに自分が熱くなってしまってあとから反省しまくる院長は良かったし、「カツカレー食べたってノートに書いておけよー!」とミヤビに言う陽南子たちで『高次脳機能障害を持つ人と働く』描写のバランスを取るところは相変わらず上手いし隙がないなと感心。


それはそうと「チクっとしますよ」と何度も言う三瓶先生は採血がヘタクソということでよろしいか。

霧吹きのアレは職場でイチャイチャすんなー!と思いつつ、その空間に入っていこうとする風間を止めて「そっとしておいてあげなさい」という星前先生が好きすぎた。ママかよw。