『アンメット ある脳外科医の日記』第2話

初回はキャラクター造形や役へのアプローチ、そういったものぜんぶひっくるめて「若葉竜也が演じる三瓶先生」のインパクトに圧倒されたけど、2話は杉咲花の「演技力」に唸らされた。
泥まみれになるとかそういう表面的なことじゃなくて、今回は患者にとことんまで寄り添う物語であることとあいまって“一日しか記憶を保つことができない脳外科医・川内ミヤビ”という人間にしか見えない、そこに杉咲花という役者の存在を感じさせないぐらい「ミヤビ先生」だと感じる瞬間がなんどもあって怖くなるほどだった。

初回の女優も2話のサッカー部のエースも、どちらもおそらく「元通り」になることはないだろう。
それでも二人とも女優であることを諦めないしサッカーを辞めることもしない。これまで通りに身体が動かなくても動かない身体で表現することを、サッカーを続けようとしてる。
それは生きる世界が変わってもこれまでをこれからも続けていくってことで、それはミヤビも同じ、なんだな。それがミヤビの医師としての在り方なのだろう。

などと思ってたら、最後の最後で三瓶先生がものすごい爆弾撃ち込んできやがった・・・・・・っ!。

ミヤビ先生となにがしかの「関係」があるんだろうとは思ってたけど「婚約者でした」って言っちゃう!?言っちゃうの三瓶先生!???

いやさあ・・・「主治医」であるミヤビ先生のフォローを目的として今回の三瓶先生はミヤビ先生をじっと見てるんだと思ってたのよ。
あからさまに「見てる」のは、フォローであり、ミヤビ先生は「主治医」として患者を担当できると確認するために観察してるんだと思ってたの。
もちろんそれもあるんだろうけど違うんじゃん!ミヤビに写真撮っていいですか?と聞かれていいですよと応えるのみならずピースまでしちゃう三瓶先生なにげにお茶目さん☆と思ってたけど、そういうんじゃないんじゃん!!!
どんな気持ちでピースしてたんだよ三瓶先生・・・「強い感情は記憶に刻まれてる」というあの励ましの意味がぜんぜん違ってくるというか、だからどんな気持ちで言ったんだよ三瓶先生!!

前クールでもメスを持てない外科医に強引に手術をさせる天才外科医がいたけど、それこそイップスが理由であるならオペをやるしかないという状況に追い込むのもわかるけど、このドラマの主人公は脳機能障害であるわけで、そりゃ医療技術に問題はないから手術ができなくはないんだろうけどでも万が一なにかあったときにその「なにかあった」記憶がないわけで、大迫教授の言うことが全面的に正しいよね。
それなのになぜ三瓶先生はミヤビにオペをさせたのか。
記憶に刻まれた「強い感情」を思い出してほしいから、取り戻してほしいから。
それはつまり自分のことを思い出してほしいってことなんだよな。
「先生が俺のことを忘れても俺がずっと覚えてるから」という亮介くんの言葉をどんな気持ちで聞いてたのかと思うとやだもう三瓶先生切ないいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!。

ていうかなに?岡山天音の綾野先生もミヤビに好意を抱いてるってなことなんですか?
杉咲花を巡って若葉竜也岡山天音がこのトーンで争うとか、そんなドラマが放送されているだなんて今なにが起きているのかなにを見ているのかわりとマジで困惑している。