『いちばんすきな花』第5話

初回からずっと思ってるんだけどさ、「お調子者で友達が多いと思われてる」という紅葉のパブリックイメージというか自己評価ってやっぱり違うよね。
お飾り顔面要員として呼ばれた合コンをぶっちして5,000円巻き上げられて「これ一枚稼ぐのに絵何枚描くんですか~?」などと言われたり、ナンパしてくるっつって仕込んだ夜々と逃げる背後で「パンダあいつなにやってんだ?」などと言われたり、わたしにはどう見てもいじめられっ子にしか見えんのだが。

などと思っていたら椿よりも「下」だった高校時代の同級生が登場し、ぼっち同士を繋げてくれてありがとう!今も仲良くしてるよ!なんて言われちゃったもんだから罪悪感に駆られ言わなくていいことを最悪の言い方でぶつけて相手を傷つけ、そしたら自分がしたこと、というか今言ったことと同じことをやり返されて泣くってさあ、豆腐メンタルすぎて呆れてしまった。
挙句「死にたい改めお腹痛いって言う相手がいない」とかどこまで自己愛の塊なのかと。
「佐藤君」が繋いでくれた友達の耳を貸してもらいながら、書いた絵を白で塗りつぶそうとしている葉山くん(役名がわからん)のほうがよっっっっぽど可哀想だろ。

ていうかその「耳を貸してもらう」よ。

紅葉と椿の「お邪魔しました」「また来てね」
に、
椿の「お邪魔しました」に「バイバイ」と返す元同級生

という対比はすこぶる良いのに、なぜそこに「耳貸して」「牛丼好き?」を重ねてしまうのだろう。
紅葉が“ぼっちで可哀想だと思ったからくっつけてあげた二人”も椿と同じことを言う、言える人たちで、だから紅葉がちゃんと向き合っていればきっといい友達になれただろうに、その機会を手放したのは当時の自分より下の人間に優しくして優越感に浸ってた紅葉自身だということを描くとして、この繰り返しはあまりにも押しつけがましい。

それから、紅葉に夜々が「ゆくえさんのこと好きなんでしょ」と聞いたのもデリカシーなさすぎない?。
この4人がどれだけ「気の置けない仲」になってるという設定なのかわかりませんが(椿の家で遠慮せずにゴロゴロダラダラできるぐらい近しい関係になってますってことは理解できるし、その象徴が「いろちでおそろ」のマグカップということなんだろうけど、あれだけ人付き合いが下手だと言い合ってたぐらいだから“とても仲良し”ではあるけどでもまだ4人とも心のシャッター全開まではいってない、という距離感のつもりで見てはいる)(この流れで突っ込むけど、今回の牛丼たべたあとそれぞれが好きなことやって寛いでる場面が18時台って、出版社勤務と塾講師と美容師が揃ってそんな時間に集まれる不自然さを現場はどう呑み込んでるんだろうな・・・)、異性のみならず同性からも性欲込みの「恋愛」について勘ぐられたり嫉まれたりとかくアレコレ言われることに苦しんでるはずの夜々なのに、他人には平気でそういうこと言うんだ?と思うんだけど。

わたし夜々のこと好きじゃないんだろうな。
というか、偶然あった赤田のことを「奥さんネタ」で揶揄うゆくえも感じ悪かったし、そういやsilentでも紬のこと嫌いだったし生方さんの描く「女」がわたしのなにかを刺激するのかもしれん。