『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ』

このタイトル、このキャストでドラマを作るならコメディだろうがロマンスだろうが普通に変人シェフの大沢たかおと会社で居場所を失くしつつあるバリキャリ女の中谷美紀の物語でいいだろ。
まだ初回であることを差し引いても二宮和也の逃亡者パートが明らかに浮いてる。

いやこれはまあこれでいいのよ。まだ何もわからない状態だけど逃亡犯パート単体では引き続き見ようかなと思わせるものはあるんだけど(その理由の9割は中川大志)、ストーリー云々の前に大沢たかおのレストランパートと中谷美紀のテレビ局パートに対して逃亡者パートは完全に作画が違うのに無理やり合体させようとしてるから違和感しかない。

だって近くで殺人事件があって、犯人と思われる人物は拳銃を持っていて、怪しい男が出入りしたあと拳銃が落ちてたとしてあんなやりとりする“一般人”いねーだろう。
殺人事件なんて要素がなくて「レストランの厨房に拳銃が落ちてました」というシチュエーションから始まるコメディドラマならまあ“そういうノリ”なんだなと思うところだけど、人殺されてんじゃん。事件として報道されてんじゃん。それで殺人事件の凶器かもしれない(その可能性はとても高い)拳銃だとわかったうえで営業に差し障るからどこかに捨てよう!ってあたまおかしすぎる。冗談のつもりだとしても全く面白くない。

だからさ、いらないと思うのよ、殺人事件なんてものは。テレビ局パートは報道志向という主人公の設定に関係するから不要とまでは言わないけど、殺人である必要はないし、殺人だとしてもそれが現在進行形の殺人事件である必要はないでしょ。まあこの作品は「クリスマスイブ」であることが大前提であるわけで、そんな日にそれこそ過去の事件を特集する必要などないから若手が作ったクリスマス特集を押し退けてでも放送すると主張するだけの「ネタ」でなければならないわけで、だから殺人ってことなのでしょうが。

この先なにがどう繋がって重なっていくのかはまだわからないけど、初回を見る限りでは二宮和也の逃亡者パートをまるっと外して泥棒に入られソースをぶちまけてしまったシェフ(レストラン)の話と、突然年内で番組終了と言われてしまったキャスター(番組制作)の話にしたほうが断然スッキリすると思うんだけど。

「ONEDAY」はそのまんま「1日(聖夜)の話」だからとして「から騒ぎ」と付けてるってことは最終的には「騒いだわりには大したことなかった」ってところに着地するのでしょうが、人が死んでる時点で最後はみんなでワッハッハとはならんだろ。死体だと思った?実は死体の仮装でした~!テッテレ~!なんてことでもない限り。
もしかすると、殺人という凶悪事件であったとしてもそれをマスコミを通じて知ることになる“一般大衆”にとっては話題でしかないし、そんなことより自分の生活であり仕事であり時間のほうが大切だしなにより今日はクリスマスイブ!という国民性とか大衆心理に切り込むドラマだったりします?。