誉田 哲也『アクトレス』

二十代半ばの女性が複数登場し、彼女たちが友人関係となった理由というかキッカケは過去の「事件」のようだけど、その事件の内容について語られることはなく、その事件が現在に影響を及ぼす、現在に繋がっている、ということもなさそうで、なんか説明不足というか「慣れあい感」で進むのはなんなんだと、これはどんな小説(ジャンル的に)なのだろうか?と思いかけたところで登場人物の一人が現在勤務している探偵事務所の名前が「和田徹事務所」で、所長は元捜査一課刑事ってんで「ん?」となったわけですよ。名前と所属に覚えがあるぞ?と。

で、モロモロ確認してみたら姫川シリーズとジウシリーズに登場した「和田一課長」じゃないか!と、え?じゃあこの作品も一連のシリーズと地続きなの??となったところで『事件』が勃発するんだけど、相変わらずこのへんの話運びが上手いなホント!あっちもこっちも繋がりすぎてわけわからなくなってはいるけどな!(把握しようとすることを諦めました・・・)。

と思うと同時にちょっと待てよ?と、登場人物たちになーーーーーーーんか既視感があるような・・・と思いかけたところでとある人物が作中でなんども出てくる過去の事件で“背中を切られた”という描写があって、その瞬間思い出した。これなんかの続編じゃん!と。
慌てて確認したら「ボーダレス」の続編でしたわアハハハハー。

と自分のポンコツ脳に絶望しつつ、この作品はとある事件をキッカケに知り合った十代の少女たちが大人になり、それぞれの家族との関係を背負いながらそれぞれの場所でちゃんと生きていて、最後に女子会をするという「彼女たちの物語」であるとは理解してるんだけど、和田徹事務所のおじさんたちの活躍というかアシストが読みたかったなーとは思った。なので希莉と奈緒のコンビが主役の続編?スピンオフ?に期待。そうなるとますます誉田ワールドが広がっちゃうけどな!。