『Chef〜三ツ星の給食』第9話

カウンターの中でのやりとりがもはや“相棒”のソレにしか見えない光子と荒木、そしてですよねーそりゃこう使いますよねーな荒川良々のみのるんを筆頭に、ポンコツたちがポンコツなりに影響を受け、考え、成長し、そして「本物のチーム」になるってな話は単純だけど面白かったし見ていていい気持ちになったけど、彩を加えるために鶏肉の周りに薄焼き卵を巻いたのに、それをホイル焼きにしてしまったら彩り用卵の立場がないじゃないか!ってのはそれとしてw、孝太郎さんとはなんだったのか感が凄まじい。
『三ツ星シェフが学校給食調理員に』という設定、そこから物語を始めるために主人公を“雇う店がない”という状況を作らねばならないとして、元の職場のオーナーが裏から手を回して主人公の邪魔をするってのはまぁ珍しくない話なんでそこはいい。オーナーは自分なのにシェフである(従業員にしかすぎない)星野光子が王様気分で好き勝手気ままに振舞うもんだからムカついて辞めさせた。でも星野光子の実力は誰よりも知ってる孝太郎さんなので他の店に移られるのは困る。だから圧力かけて星野光子を雇わないよう仕向けた。ここまではわかる。でも孝太郎さんがしてきたことはそれだけじゃないよね。星野光子に使わせないために一流の鴨を全て買い取り、星野光子の屋台に対抗すべくリーズナブルな値段の店を作り、星野光子の屋台を潰すべくキッチンカーを出した。これはどう考えても“やりすぎ”で、ていうかやりすぎといえばそもそもの始まりである“食中毒偽装”からしてそうなわけで、自分の店で食中毒を出すというリスクを背負ってまで星野光子にその汚名を着せるだなんて、そこまでするからにはそこには何がしかの理由があるのだろうと、そう考えるのは、それを期待するのは当然ですよねぇ。
ピッてしたらウィ〜ンって出てくるゴールデンサンドバックを自室に設える孝太郎さんが星野光子をここまで執拗に邪魔する理由はなんなのか、それだけを楽しみにここまで見続けてきたわけですが、三ツ星取れそうにないとなったら戻って来てくれとか言いに来ててズコ―。最終回で「実はこれこれこういうわけでいじわるしてました。すんませんでしたー」って理由を説明するかもだけど、まぁ・・・たぶん・・・・・・大したことないよね。
せっかく悪役での評価がじわじわ高まってきたってのに、孝太郎さんにこんな浅くてペラい悪者やらせてんじゃねーっての。これだけスーツ姿ビシっと決まってるのにゴールデンサンドバックと遊んでた記憶しか残らない(であろう)ってどういうことだよ。
あ、星野シェフはやっぱりすごいと認めたら気が楽になったのか、そう言って笑う豊原さんは素敵でした。星野光子の屋台でがっしりとした身体をちょっと丸めて情けなさそうに相談するのがまたエロい。