『仮面ライダーウィザード』第45話「笑顔は胸に」

これまでクールで冷静な完璧魔法使いだった晴人が自分の力(魔力)ではコヨミを救うことができないと我を失い笛木を誘き出すためにゲートを絶望に導こうとしてしまったと。ゲートが旧知の「先生」だからってことがその判断に結構影響したんじゃないかと思うのだけど(晴人のみならずたまたま知り合っただけのコレクター親子に対する言動を見れば先生の人となりは察せられるわけで、先生なら大丈夫だと、万が一絶望してしまってもアンダーワールド戦の間耐えてくれるだろうと考えてしまったってのはまぁ分からんでもないです)、それにしたってそれをやってしまう、やってしまうどころか考えてしまった時点で晴人は魔法使い失格だよね・・・。
ってところを救った(魔法使いとしての晴人を守った)のは絶望経験者である瞬平の「絶望するってすごいキツイんですよ」という一言だったわけですが、このために瞬平は存在していたのか!と思わせるほどの働きを見せたもののこれまでに培ってきたマイナスの感情がこの展開を素直にヨシとすることができなくてだな・・・・・・。
まぁでもなにもかも一人で抱えて背負おうとしがちな晴人を今度はしっかり導いてくれて、ついでにコレクター親子の関係も修復してくれた先生の話としてはなかなかよかったと思う。
でもこの先生、絶望しそうになかったよね(笑)。
絶望の末ファントムを生んでしまったら死ぬということまで知らされてるのか、自分を使って晴人がやろうとしたことがソレだと理解してるのか、それは判らなかったけど、晴人がやろうとしてることのために自分を使おうとしたこと、それは自分への信頼であると喜べるような人は例え形見の玩具を壊されたって絶望なんてするわけがない。ていうか絶望するなら息子が死んだ時点でしてんだろって話よね(笑)。
でもさ・・・確かに「こんなモノがあるから」子供は寂しい想いをし、自分は怪物に襲われ他人にも迷惑を掛けてしまったと考えるのは分からなくはないんだけどさ、あの玩具そのものに罪はないと思うのよね・・・・・・。コレクターはちゃんと対価を払ってそれを手に入れた、つまり今現在はコレクターの持ち物なのであって、それをゲシゲシ壊してしまうのはどうなんだろうか・・・とは思ったよね。面影堂を通して買ったぐらいだからそんなにびっくりするような値段じゃないにせよ(あの店そんな高級品扱ってるようには見えないから)金銭的なこともあるし、日本に一つしかないというぐらいだから文化的価値があるんじゃないかとも思うし。だから何も壊さずとも息子の形見の飛行機で遊ぶコレクター親子を嬉しそうに見守る先生の図とかさ、そういうラストカットの方が良かったような気がしなくもない。だってこの父親の何が悪いって「本来遊びに使用すべき玩具を子供に触らせようとしない」ことではなく「独りでゲームでもやってればいい。手が掛からない子供で助かる」とか言っちゃうその心根じゃん?。


で、ソラは「賢者の石」と「魔法使いのところにいる人形」を結び付け何かに思い至った様子&自身の目的は「人間になること」だと明かしたわけですが、そういや黒髪白ワンピフェチの殺人鬼の話ってどうなったんだっけ??。今の状態だってその黒髪白ワンピ女を自分のモノにしようと思えば出来るわけで、というか人間時代よりも今の方が能力的にやり易くなったのではないかと思うわけで、そう考えるとわざわざ人間になって(というか戻って?)何がしたいんだろうなぁ?。
人間時代の滝川空をガチのシリアルキラーなんてものにしたうえにその記憶(性質)を保持したままファントムになったなんて設定にしたせいで、ソラが何を願おうが、何のために人間になろうとしてるのか、それが例えば償いのためだとしても今更感しかないからそこに同情も共感も生まれようがないと思うし、逆にファントムだとターゲットとの力の差がありすぎて“詰まらない”から人間に戻りたい、つまり自分の快楽のためにそれを求めているならばそれはもうフェニックスさん以上の苦しみを与えなきゃ納得できないしねぇ。