『ギークス~警察署の変人たち~』

変人(そうでもないけど)の松岡茉優を含む数人が寄り集まって安楽椅子探偵っぽいことをするというただそれだけの共通点しかないんだけど、それでも「初恋の悪魔」を思い出させられる。始まる前は初恋のはの字も浮かばなかったけど。

それで言うと始まる前に思ったのはよくこのキャストで企画が通ったなってことだったんだけど、実際に作品を見るとますますそう思う。
安楽椅子探偵っぽいことをするとは書いたけど、普通に警察官としての仕事をしてるだけだし、最初に書いた通り言うほど変人たちでもないし(この程度で変人だったら世の中変人だらけだろ)、キャスト的にも内容的にも深夜とまでは言わないけど23時台がちょうどよさそうだなーと。

初恋の悪魔のように「三人で」捜査・推理するんだと思ってたけど、初回を見る限りでは松岡茉優の西条が「見つけちゃった」ってんで一人で真相を見抜いてて、新婦の「人種」を言い当ててたから田中みな実の吉良は一応アシストしてたけど滝沢カレンの基山はなんもしてないから(ひょっとこ男を見つけて追いかけはしてたけど職務の流れってだけだし)トリオ感はあまりないな。
公式を見るとそれぞれ“得意分野”があるようなのでお当番回的な感じで事件によって中心となる人物が変わるとかなら面白いかも。西条の「見つけちゃった」のようにそれぞれ決めセリフがあるとかで。

その三人に捜査情報を与える刑事役の中村蒼くんは見たことがない感じの役どころでこれは新鮮。この新鮮味だけでしばらくは視聴のモチベーションになるぐらい新鮮ですわ。

そしてなにかがあって「ギーク」に『なってしまった』のではなく自分らしく生きているだけ(それが傍からみれば「変人」と言われるだけ)だと思うんで、この三人が変わったり成長したりすることはなさそうだよね。“そういうドラマ”ではないだろう。
とするとドラマの縦軸はなんなんだ?ってことになるけど、それが西条の隣人・安達になるのかな。相関図のなかで一人だけ小鳥遊警察署の「外」にいるのがあやしい。しかも演じるのが白洲迅。ますますあやしい。
引っ越してきてドタバタ音立てて「配線がまったくダメで」ってところからしてあやしいもんな。配線であんな音出ないし、初対面の隣人女性に「配線やってもらっていいですか?」と頼む男がマトモであるはずがないもん。つまり楽しみ。