『空白を満たしなさい』第2話

今のところ、役所の人がきて事務的にサクサクと書類上の手続きがなされただけで、「復生者」であると明かした途端面接官があからさまにシャッターを下ろすモードになるどころか使った茶器をウイルスか汚物かってな扱いされたり、支払われた保険金の返却を求められたりと、復生者が優遇されてるようには全く見えないけど(徹生を雇ったことで解雇者が二人出たってのはハギーが徹生の知人だからであって、復生者を雇い入れたら補助金が出るとかそういうことでもないならばそれは復生者ではなく「徹生が」優遇されてるってだけだよな)(この流れで言うと、井之脇海くん演じるバイトに正論+経験に基づくアドバイスを直球で投げる徹生の言動を見て“こういう言い方”が社内で敵を作る理由なんじゃないかなと思った。徹生に対する悪い噂を流した人物の動機もこんなことなのではないのかと。徹生はなにも間違ってはいないんだけど、その間違ってないところを気に入らないと思う人間もいるからさ)、あの排斥デモは結局のところ面接官たちのように「気味が悪い」からどうにかしてくれという主旨なのだろうか。

「復生者」はみんな誰かにとっての大切な人であるけれど、自分とは無関係の「復生者」はひたすらに嫌悪の対象でしかない、ということか。

と思いかけたけど、でも大切な人が戻ってきたはずの家族ですらその「復生者」の扱いには困惑しているわけで、誕生日を祝うほどの関係であっても「復生者」に対する考えであり感情はぶつかってしまうわけで、なんのために「復生者」なる存在がこの物語の中心にいるのだろうか。

と思ったところで次回は復生者が集う会合が描かれるようで、ここまでとは「視点」が真逆になるであろうことも楽しみなんだけど、予告にいた復生者仲間と思しきメンツが濃い目なので、その意味でもとても楽しみ。

生命保険の返却話もこの先なんらかの展開をみせることになるのだろうか。
マンションのローンは死亡したことで免責になってるだろうし、子供はまだ小さいから三千何百万だかの死亡保険金は多少目減りしててもまだほとんど残ってそうなのに、マンションを売ろうかとか言う千佳にもまだ秘密がありそうだよな。演じてるのが鈴木杏ちゃんとなるとその疑いがさらに増す。


しかし阿部サダヲ演じる佐伯のおぞましさはなんなんだ。
言ってることはそれほど間違ってないというか、考え方として肯定できなくはない(全てではないけど)ように思いはするけど、佐伯の言葉そのものを耳に入れることそれ自体が生理的に厭なんだよな。
話を音として聞くんじゃなくて耳からどろっとしたものが侵入してくる感じがして身震いするほど気持ちが悪い。触感として伝わってくる気持ちの悪さなんだよ。
これを画面越しに出せる阿部サダヲはやはり凄い。