『空白を満たしなさい』第4話

自分の死が「自殺」であったこと、なぜ「自殺」という道を選んでしまったのか、徹生自身が「自分の死の真相」を思い出し、理解し、自殺を試みたものの死ぬことができなかった佐伯が実は「生きたい」と、「普通の人のように生きたい」と願っているがゆえに死んだ(死のうとした)ことが解ったことで、ようやっとこの作品が描こうとしているものが掴めたと思ったのも束の間、ぬるっとすり抜けていってしまう・・・。

自殺に限らず「死」は誰にでも突然訪れる(かもしれない)もので、そうなったときに普通は家族に「死んだりしてごめん」と謝ることなどできないわけで、家族は「戻ってきてくれてありがとう」と言うことなどできないわけで、そこを「復生者」というフィクションの設定を使いそれぞれの立場での「死と向き合うこと」を描いた作品・・・なんて、そんなありがちな話ではないですよね。だって平野啓一郎ですもんね。ふーーーーーーーーーーーーーーーーっ(←引きずられないようにとにかくなんども深呼吸)。