宿野 かほる『ルビンの壺が割れた』

ルビンの壺が割れた

ルビンの壺が割れた

大層な帯に釣られてしまいました(と思うと、帯商法も満更効果がないってわけじゃないんだよね・・・)。
結婚するはずだった二人の人物の間で交わされるメールによって二人の人生が浮き彫りになりそして最後に衝撃の「真実」が明らかになる・・・ってな作品ですが、メール(手紙)だけで話が進む形式も二人が抱える問題であり現実も、そしてタイトルにあるようにそれまで見えていたものが一瞬で見え方を変え、そして割れる「真実」も、どれも全く目新しさはありませんが、強いていうなら、というか恐らくそれが『売り』なのでしょうが確かにあっという間に読めました(書店員の方々は1時間で読めると書かれてますが速い人なら30分もあれば読めるかと)。まぁ短い時間で読めることに魅力を感じない私なので私にとってはさしたるプラス要素にはなりませんが。
ところで、私はあまりやりませんが書店で手にとった本をぱらぱらーっとめくる人っているじゃないですか。きっと段組みとか文字の大きさを確認しトータルどれぐらいの分量(文字数)なのかを確認してるのでしょうが、時短を売りにするだけあってこの本は薄いのでめくった勢いで最後のページを目にしちゃうことがありそうなんですよね。そしたらその時点で「オチ」が解ってしまうので、ネタ度を上げるためにもいっそ袋とじかコインで削るやつとかにすればいいのに。