『明日の約束』最終話

なにひとつひっくり返らない、なにも残らない最終回でした。
辛かったら逃げればいい、死ぬぐらいなら逃げていいって、いやまぁそれはそうなんだけどさ、「生徒の死の真相」を描き続けたドラマのまとめがこれでいいのかと。
8話の感想のなかで逃げ場のない圭吾にとって自由になることが死ぬことだったのならば納得できると書きましたが、日向の演説には『その上で』それでも死ぬな生きろと、そう訴えるだけの力があったとは到底言えないと思う。
圭吾に対する日向の罪悪感って「告白されたのに断りの返事をしたこと」に起因するわけだよね?。助けを求めていたかもしれないのに通り一遍の答え方をしてしまったことについて「自分にも責任がある」と考えているわけだよね?。こう言っちゃなんだけど“その程度”のことならそりゃ「私が許せないと思うのは死んだ吉岡君です」とか言えるわなと。見て見ぬフリを含めイジメという“悪事”をしてた自覚があるバスケ部員やクラスメイトたちの抱える罪悪感とはそもそもの重さが違うもん。
途中までは悪くなかったと思うんだ。面白いというわけじゃないけど見応えはそれなりにあったのに、霧島先生の本性が発覚したあたりから一気にぬるま湯になって結局ぼんやりと無難なところに落ち着いてしまった。しょーもない恋愛ドラマなんかに比べたら描く価値のあるテーマだと思ったしその可能性も感じたんだけどなぁ。
これだけの役者を揃えておきながらこういうアプローチしかできなかったことがとても残念です。