吉高由里子初舞台+北村一輝・池田成志・大倉孝二という判断材料だけでチケットを取りましたが、蓋を開けたら秋山菜津子オンステージであった。
菜津子さんかっけええええええええええええええええええええええええ！！！。知ってたけど！菜津子さんがカッコいいことは超知ってたけど！！。
正直申しまして、よくわかんなかったんですよ。北村一輝を主人公とするストーリー（あらすじ）的なことは分かるんだけど、その過程であり局面で起こる出来事、交わされる会話、その演出、それがなにを意味しているのかが分かるようで分からなくって、劇中「世の中は全部無意味」的な発言があるので意味を求めても無駄というか、まぁそういうことなのかな？なんて思ったりしたんだけど、それにしても・・・よくわかんなかったんですよ。それでも休憩入れて3時間というそれなりの時間を楽しめたのは、秋山菜津子さんがカッコよかったから。それに尽きる。
菜津子さんは成志先輩の奥さんで、女優で妊婦なんですよ。結構でっかいお腹なのにサイケな柄のラップワンピにヒールのあるパンプスに紐タイプのヘアバンド姿で煙草スッパスパ吸っちゃうんですよ。で、突如公園らしきところでハムレットを演じ始めたりする人なんですが、なんかリアリティあるんですよねぇ。
一輝と成志先輩と孝二は建築現場で共に働く同僚で、仕事に向かう途中で東日本大震災で飼い主を亡くしてしまったペットたちの保護施設の運営資金の募金を募る吉高ちゃん（と大鷹さんと冨浦くん）と出会うんだけど、そこから始まる物語ってのは一輝が見た白昼夢、いや真夏の一夜の夢のようなものなのかな？それすらよくわかんなかったんだけど、とにかく現実という意味でのリアルではなかったと思うんです。
そんな中で、菜津子さん演じる「ジュンコちゃん」はひとり地に足がついてるように見えた。言ってることもやってることも破天荒なんだけど、なんかガシっとした存在感があったんですよね。
で、そんなジュンコちゃんを「大好き」な成志先輩は夜な夜な稽古の相手を務めているというだけあって「シェイクスピアの台詞は大体頭に入ってる」んだけど、これまた突然ハムレットの台詞を言いだすんですよ。それがまぁ素敵で、ほんの少しではありましたが成志先輩のいい声で語るシェイクスピアの台詞を聴けただけでわりと満足。ほんと意味わかんなかったけどｗ。
感想は書かなかった（言葉にして残しておくような「楽しさ」ではないと思ったんで）「GVG」と併せて私的2015年舞台オブザイヤーの最優秀助演男優賞は池田成志さんですわ。成志先輩の尋常じゃないふり幅の広さであり深さを思い知らされました。
初舞台の吉高ちゃんは画面の中の吉高ちゃんのまんま、という印象かなぁ。孝二も「まんま」なんだけど、孝二の場合はそういう役割を求められての「まんま」なのに対し、吉高ちゃんは良くも悪くもの悪くもの割合が大きい意味での「まんま」だった。
わたし画面の中にいる吉高由里子という人は好きです。女優にはさして興味がないわたしであるということを考えれば、かなり好きと言っていいと思う。だから「吉高ちゃんの初舞台」を見ようと思ったわけで。
吉高ちゃんを「見た」とは思うんです。でも吉高ちゃんを「観た」とは言えないなーと。生身の吉高由里子を感じられなかったというか。
役自体が掴みどころのない女なので「そういう演出」ではあるのでしょうが、“吉高由里子が今目の前で演技をしている感”が全然なかったんだよねぇ。
で、それは一輝も同様で、これまで舞台上の一輝を2作品観てるんだけど、どちらも「北村一輝素敵だわー」って思えたんですよ。質は違えどその色気にホンワーってなれたんですよ。でも今回はそういうの全然なかった。一輝の魅力がぜんぜん伝わってこなかった。だって別にこれ演じるのが一輝じゃなくてもいいんだもん。
別に「合った役」を用意しろって言ってるわけじゃなんです。一輝じゃなきゃやれない役じゃなきゃヤダヤダだなんて言ってません。ただせっかく北村一輝をキャスティングしたんだから北村一輝でなきゃ出せないものを見せてくれよって言いたいだけ。そしてそれは吉高ちゃんもそう。これだけ個性的であり華やかな魅力がある人たちなのに、なんでこんなぼんやりした演技させてんだ？って言いたいだけなの。
このメンツでタイトルが「大逆走」だもんでハチャメチャなものを期待したわたしが悪かったというか、勝手に予想して想像した感じとは違ったからって期待外れと言うのは横暴だし傲慢だってわかってますが、でもまぁ・・・そういう気持ちは否めないです。だって一輝の白ブリ姿とか誰も求めてないじゃん？（役柄的に白ブリ着用してるわけがないし！）（それはそれとして、こんなにも白ブリ姿が似合わない身体ってｗ）。
