『八重の桜』第29回「鶴ヶ城開城」

おとっつぁまの死はもうちょい演出的に盛ってくれてもよかったのよ?と思う一方で、あのタイミングで「この中に女がいるぞー!」と声を上げる尚之助さんは哀しいまでに切なくて、これはすっっっごい良かった。あの瞬間まで尚之助さんは八重さんをどうすべきか迷い続けてたんだと思うんだよね。それがわかるからこそ秋月さんは尚之助さんにああいう視線を向けたんだろうし。八重さんの気持ちを考えればこのまま男(三郎)として自分とともに猪苗代へ向かわせるべきなんだろうけど、でも夫としては愛する妻をみすみす命奪われるかもしれないところへ連れて行きたくないわけでさ、ギリギリまで悩んでたのだと思う。
そして出した結論が「女がいるぞ」だと。
あの場でそう叫ぶのもまた勇気がいるというか、賭けだよね。あの場に一人残された『女』がどんな目に遭わされるか、どんな扱いをされるのか分かんないわけだから。
それに、他の誰でもない尚之助さんにそんなことを言われるだなんて八重さんにしてみれば裏切りに等しいわけで、八重という人間を誰よりも解ってる尚之助さんであればそんな八重の気持ちがわからないはずがない。
それでもそう言わずにはいられなかった。
それに八重さんという人はこうでもしなきゃ(これぐらい強引な手段を取らなきゃ)母親たちの元へ戻ることはしないだろうって、尚之助さんはそう考えたんじゃないかなー。
あと権八さんの気持ちも。
だから考えに考え抜いて選んだ道なのでしょうが、それでも叫んだ瞬間心が揺れたんだろうね。だから一瞬泣きそうな顔になったのだと思う。
博己くんのこういう表情やっぱ絶品。
そして連れて行かれる尚之助さんが自分の名前を叫ぶ声を聞きながら八重さんを一度も見やらなかったのがまたもう切な苦しいのなんのって!!。
あの時の尚之助さん・・・どんな顔してたんだろうねぇ・・・・・・・・。それ妄想するだけで一升瓶イケるw。