ぶっつけ本番気合いで合体!とか、なぜだかわからないけどやってみたらできちゃった!とか、「こんなこともあろうかと前もって全合体の準備をしておいた」とか、そういうありがちな展開ではなく『天才エンジニア・陣マサトの主導でもって現場総出で徹夜で改造(メンテナンス)』ってのはすっごく良かったと思う。その間パイロットは何も出来ないからその分しっかりと身体を休め(それがパイロットの仕事である)、司令部のオペレーターもまた必死に端末叩いて仕事(メタロイド捜索)をし、司令官は「徹夜はキツイだろうけど頑張ってくれ」と労わりつつも発破をかける(これが司令官のおしごとなんですっ!!)ってのも含めて。それぞれが持ち場で精一杯仕事をする様子(の断片)を描いたのはほんと良かったと思うわ。まぁ格納庫内で合体から地上に出るまではほんとカッコよかったのにいざ動き出したらローラーみたいなのに乗ってゴロゴロ〜って進むのには一瞬クラっとなったけど^^、この作品の世界観においてこういうのってすごく大事。
・・・・・・なんだけど、肝心の(擬似)亜空間の描写はどうかと・・・・・・・・・。亜空間とはいえ『擬似』であるわけだから実際の?本物の?亜空間とはそれなりに差異があるんだろうなーとは思うのね。それは本物ゴーバスターズがニセモノゴーバスターズを一捻りで消してみせたことで判る。だから本物亜空間に比べれば“キツさ”も何割減であろうことを陣さんは分かってて(知ってて)、おそらく中の一般人たちは“無事”であろうと判断したのだろう(だから一刻も早くグレートゴーバスターを準備するために黒リンに掛け合おうとするのではなく、黒リンから司令部に招き入れられることを待ってたんだろうよ)。擬似亜空間のことを“陣さんが”ある程度解析済みであることは“それ用”にロボを改修できたことで明らかだし(ていうかさりげなくメサイア=骸骨だけどあれは飾りだって教えてくれてたわよね?)。
だけどさ、擬似亜空間に取り込まれてからゴーバスターズに救出されるまでの間どれぐらいの時間が流れてたのかはっきりとは分かんなかったんだけど、管理局では“徹夜”で作業してたわけだから少なくとも十数時間もの間あの一般人たちは息苦しい思いで絶え続けてたわけだよね。擬似亜空間内でグレートゴーバスターのメインパイロットであるヒロムがシャットアウト完了後コックピット内で寝ちゃったぐらい疲労困憊だったわけでしょ?そりゃただ地面に這いつくばって息苦しいってウンウン唸ってるのとロボット操縦するのじゃ消耗度桁違いなんだろうけどさ、それでも特殊訓練積んでるヒロムですらこれってことはやっぱり一般人にとっては相当辛いことだと思うのよ。だったらやっぱり“一刻も早く助けなきゃ”描写を入れるべきだよね。
それなのにそこでやったのはメタロイドの能力で幻見せられて現実逃避するヒロムさんとか・・・。敵の能力解ってるわけだから今自分が見ているのは幻だと理解しているのにそれでも甘えたい誘惑に抗えないヒロムさんとか・・・。「ヒロムにこんなもの見せやがってえええ!」と『ヒロムのために激怒する』リュウさんとヨーコってのはまぁ燃えましたけど、でもそもそもヒロムってこういうものには惑わされるタイプじゃないと思うのよね。ていうか姉さんとの和解ってかヒロムが戦うことを姉さんが認めた回でそういうものには一応の決着をつけたんじゃなかったのかと。自分がこんなに弱いと思ってなかったと言ったことからしてヒロム自身がこれほど惑わされたことに驚いているのだろうし、それはつまりヒロムは自分が思ってるほど『強くない』ってことなんだろうし、それを素直に認めることが出来るようになったヒロムは確実に成長してるってことなのでしょうが、これもまた金銀ロボ登場回なのにニックの話だった前回同様「この回でやる話?」って思っちゃうんだよなぁ。
ていうかやっぱりエネトロン同様亜空間がどういうものなのかはっきりしないってのが全ての違和感の元凶だと思う。だから人々のピンチ感がほとんど感じられないんだよね。ゴーバスターズがエネトロンを通じてその生活を守っているはずの『人々』がこの事態をどう受け止めているのかってこともサッパリ分からないし。普通街中に突如あんなドームが現れたら大騒ぎになると思うし、あの中に閉じ込められた人々の家族や友人だって気が気じゃないはず。だから例えば管理局に問い合わせの電話が殺到してるってことが司令に伝えられるとかさ、ほんのちょっとの尺使うだけでそういうのが描けるはずなのになんでやらないんだろうか。
そしてこっちの世界に擬似亜空間を作り出せるなんてこれまでのメタロイドたちとはレベル違いの“すごい能力”だと思うのに、それをただメサイアさんを喜ばせるためにしか使わないエンター様がよくわからん(笑)。とりあえずエネトロンタンクの周りに擬似亜空間作って吸い取れるだけ吸い取るとかすればいいのにーとおもうんだけどー。
とりあえず「亜空間」が全ての物質がデータ化されるとかそういう意味での『普通の人間は耐えられない』空間なのではなく、重力的に『普通の状態ではいられない』という空間であることが判ったことは大きいかな。センターの人々の生存状況という意味で。そして擬似とはいえ亜空間内でグレートゴーバスターの運用も試せたし、ヒロムもどのぐらいの負荷が掛かるのか体感できたことだし、着々と亜空間突入の準備がなされてることを心に留めつつ、次回は久々のリュウさん熱暴走回だよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!。
てかヒロムもだけどリュウさん髪伸びすぎじゃね??(笑)。